はじめに
令和2年6月、コロナウイルス感染予防に対するデイサービスなどへの特別措置が実施されました。
内容は、最大月4回のみ「介護報酬の2区分上」を請求できるというものです。
タイトルでは「コロナ加算」と呼んでいますが、実際は「介護報酬上乗せ」です。
過去に詳しく取り上げています。

先日、市町村・介護課の職員さんとコロナ加算についてお話することがありましたので、その内容を中心に書いてみたいと思います。
市町村の職員さんとの会話
ある会議で、市町村・介護課の職員さん(Aさん)と話す機会がありました。
その中で、Aさんから質問を受けたのは次の3点。
- 利用者さんやご家族の反応は?
- どのように説明しているか
- 利用者全員に統一でないことについて
別に責められているいる訳ではありません。
結論から言いますと、私の勤務する法人の対応は適切であると認めて頂きました。
しかし、Aさんはこの「上乗せ報酬」について賛成ではないとのことでした。
私は、次のように伝えました。
「介護現場は頑張っている。行政も大変だろうけども、せめて足並みをそろえて頂きたい。そうでなければ、現場の努力が浮かばれない。」
今回の記事は、行政や制度を批判するものでもありません。
未曽有のパンデミックの中、皆で力を合わせて立ち向かう方法を考えるものです。
ご理解の程、よろしくお願いいたします。
それでは、詳しく見て行きたいと思います。
利用者さん・ご家族さんの反応について
私がAさんに話した内容は以下の通りです。
- ご利用者さん・ご家族さんから、ほぼ100%同意を頂いている。
- デイサービスには感謝しているが、制度には不満を持っている人が多い。
- 特に制度がいつまで続くのかが不明であることの不安が大きい。
普段からの信頼関係もあり、デイサービスの頼みならと同意は頂けます。
しかし、利用者にも負担がある制度への不満は高いと言えます。
どのように説明しているか
どのように説明し、同意書を頂くかについてです。
私の法人は同意書を頂く前に、電話で説明をしています。
それで納得いただけたら、同意書を持参する形をとっています。
Aさんは、この方法には感心されていました。
利用者さん全員に統一でないことについて
市町村の職員(Aさん)さんから、こう言われました。
「今回の制度は『同意しない方』には請求できない。
利用者全員に「統一された」制度でないことをどう思いますか?」
みなさん、これどう思われますか?
国が造った制度ですよね?
その制度を活用している事業所に、行政が質問するって・・・。
私は、怒りをこらえて、
「コロナウイルスによるデイサービス利用控えなどで経営が圧迫されています。
ありがたく、国が造ってくれた制度を活用させて頂いています。
今回の上乗せは、デイサービスへの協力金のような扱いと解釈しています。」
Aさんは、納得してくれた様子でした。
厚労省と市町村に温度差
今回のやり取りからも、制度を造った厚労省と現場の市町村に温度差があるのは明らかです。
温度差の原因は、次の2点と考えます。
- 厚労省と市町村の連携不足(事前通知やツールなし)
- 市町村は、そもそも納得していない(利用者負担)
市町村の職員さんによると、制度公表前の事前打ち合わせなどは全くなかったそうです。
制度の通知は、我々事業所と同じタイミングだったようです。
しかも、具体的な実施方法の解説やツールもなし。
これでは、連携は叶いませんよね。
また、利用者負担が発生する制度に市町村も納得出来ていない様子。
「公費のみで支援する制度」にしたいのはヤマヤマ・・・。
でも、公費の財源が底をついてしまう・・・。
それが現実でしょう・・・。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
未曽有のパンデミックで行政も事業所も大混乱・・・。
私個人としては、デイサービスを救済する制度を早期に構築してくれた政府を評価したいと思います。
しかし、市町村との連携が不足しているのは今回のやり取りからも明らか。
事前の詳しい説明や、同意書などのツールの提供。
こういうものがあれば、厚労省と市町村の連携が深まるのではないでしょうか?
また、制度自体を見ても「支給限度額外」の加算方式にして介護サービスへの影響を無くすなど見直す点多くあります。
しかし、行政は介護現場へ消毒液やマスクを無償提供してくれており感謝しています。
行政も現場もみんな120%いや200%がんばっています。
それは事実です。
みんなで力を合わせてこの難局を乗り越えたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。