はじめに
令和2年6月1日、厚労省よりデイサービスなどに「コロナ加算」とも呼べる特例が発表されました。
実際には、本来の介護報酬に2区分上乗せして請求してもよいというものです。
請求できる回数も決まっていて、最大でも月に4回までです。
算定については、過去にも取り上げています。


もちろんお金に関わることですから、ご本人やご家族への説明が必要です。
そして、同意書をもらわなければなりません。
実際にご本人やご家族へ説明する内に、改正すべき点があると感じました。
そこで今回は「コロナ加算」について、速やかに改正してほしい点について書きたいと思います。
- 上乗せ可能期間の提示
- 上乗せ基準の簡素化
- 支給限度額外での加算を可能に
これは、あくまで事例として挙げるだけで批判するものではありません。
これは、コロナウイルスという未知の伝染病との戦いです。
国、法制度、福祉、完全な対応など出来るはずもありません。
今回の私の経験を踏まえて、どのように改正すれば利用しやすい制度になるかを考えるのが目的です。
また、これから本人さんやご家族へ説明する際に少しでも役立てばと思います。
それでは、詳しく書いていきたいと思います。
「コロナ加算」速やかに改正してもらいたいこと3つ
上乗せ可能期間の提示
今回の「介護報酬上乗せ」制度は、いつまで継続されるのか定められていません。
つまり、ご利用者さんやご家族さんは、いつまで上乗せして支払わなければならないのかが分かりません。
いくら最大月4回、実質負担は数百円と言っても不安に思う方も居られます。
私の勤務するデイサービスでは、上乗せを継続する場合にはお手紙で通知しようと思っています。
数件の利用者様が、通知を希望されたからです。
声には出さないで、同じことを希望される方も多いと思います。
ちなみに、筆者の事業所は地方都市にあります。
みなさん、遠慮深い方が多くおられます。
いつまで上乗せが可能であるのか、しっかり提示して頂きたいと思います。
上乗せ基準の簡素化
コロナ加算の基準は、以下の通りです。
「月の利用回数を3で割って、4と比べる。
小さい方の回数について、上乗せ請求出来る」(小数点は繰り上げ)
【例】月8回利用なら、8÷3=2.6 繰り上げて「3」です。
「4」と比べて「3」の方が小さいから、3回上乗せ請求できる)
というものです。
いかがでしょうか?
計算式としては、難しいものではありませんよね。
でも、これを100件の利用者さんやご家族に説明する手間暇を考えてくれてますか?
という感じです。
「書面で説明すればいい」と思われるかもしれませんが、どうでしょうか?
内容が内容ですし、お金のことなので
僕は出来れば顔を見て、最低でも電話で説明したいと思っています。
今の仕組みでは、説明に時間が掛かりすぎます。
では、どうすればいいのか・・・?
説明が比較的しやすい、加算形式にするしかないと思っています。
「介護職員処遇改善加算」などに加えて計上する形なら、説明時の負担は軽減されると思います。
説明時の負担を考えれば、断然「加算形式」にするべきだと思います。
支給限度額の枠外での加算
現在の「介護報酬上乗せ」は、支給限度額内で行うものです。
普段から支給限度額ギリギリでサービス利用している利用者さんは、超過分を自己負担しなければなりません。
超過分については、10割を自己負担することになります。
これは、かなりコクな話です。
ですから、私の勤務するデイサービスは、支給限度額ギリギリの方には上乗せを行いません。
そういうことで、ケアマネジャーさんとも話をしています。
でも、これは少しおかしいと思いませんか?
使っているサービス量がどうであれ、サービス量に応じた加算を算定するべきです。
もし、制度を改正するのであれば、
加算形式にして、支給限度額外での算定にして頂きたい。
と思います。
サービス利用料に応じて、全員に算定できるシステムへ変換して頂きたいと思います。
まとめ
現在、デイサービスにおいて「コロナ加算」とも呼べる特例が発令されています。
本来の介護報酬に2区分上乗せして請求してもよいというものです。
しかし、次のような点において改正が必要だと思います。
- 上乗せ可能期間の提示
- 上乗せ基準の簡素化
- 支給限度額の枠外での加算
今の制度では、いつまで上乗せ算定できるか明記されていません。
利用者さんやご家族の中には、不安に思う方も居られます。
また、上乗せの仕組みが複雑で説明しにくい点が気になります。
そして、「利用限度額内での上乗せ」であること。
利用限度額いっぱいまでサービス利用している方には、請求しにくい仕組みであると言えます。
サービス利用量の大小に関わらず公平に請求するには、「利用限度額外での加算形式」しかないと思います。
コロナウイルスは、未知の病気です。
国も医療も福祉も、必死で闘っています。
だれも非難されるべきではありません。
しかし、非常事態であるからこそ、皆で力を合わせることが重要です。
今回のコロナ騒動で、経営に苦しむデイサービスも多くあると聞きます。
そんな状況下のデイサービスが、手間がかからず、みんなに理解されやすい加算のシステムを作って欲しいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。