【書評】裁判例から学ぶ介護事故対応~いつものあたたかい気持ちでいいんだ~

雑記
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はじめに

今回は、書評に初チャレンジしてみたいと思います。

 

取り上げる本は、「裁判例から学ぶ介護事故対応」外岡 潤【著】第一法規出版です。

 

介護事故による裁判の仕組みについて、非常ににわかりやすく書かれています。

 

私の勤務する法人の保険会社さんがきっかけで、外岡先生のことを知りました。

 

ぽんてん
ぽんてん

転倒や誤嚥などの「介護事故」は、どうしても起こります。

対応によっては、裁判になってしまうことも・・・。

外岡先生の名著を通して、一緒に学びましょう!

今回の記事は、次のような方を対象に書かれています。

  • 介護の仕事をしていて、裁判について知っておきたい人
  • 介護事故の裁判について、良い本を探している人

それでは、詳しく見て行きたいと思います。

 

どの施設にも「落とし穴」がある

 

介護は、「歩行や嚥下の能力が低下している高齢者」をケアする仕事です。

 

転倒や誤嚥と「隣り合わせ」です。

 

ご家族も理解されているはずです。

 

しかし、なぜ転倒や誤嚥が事故に発展してしまうのでしょうか?

 

それは、適切な謝罪が無かったり、報告が遅れたりしてご家族さんの気分を悪くさせてしまうことが多いのです。

 

うちは、そんなヘマはしないと思った方も居られるはずです。

 

それでは、こんな経験はありませんか?

 

  • 事故後、家人へ連絡したが繋がらない。数時間が経過した。
  • 家人からの折り返しがあったが、管理者は不在。新人職員が対応した。

いかがでしょうか?

 

管理者が外出しているかもしれません。

 

電話対応したスタッフが、忙しさの余り不適切な対応をしてしまったら?

 

どんなに優秀な施設にも、落とし穴はあるのです。

 

それでは、どのようなことに気を付ければいいのか。

 

次の章から見て行きたいと思います。

 

転倒や誤嚥を裁判に発展させない対応とは

大切なのは、事故「後」の対応

一体どのようにして、裁判に発展してしまうのでしょうか。

 

あるご家族さんの気持ちを見てみましょう。

 

施設には、感謝してました。

でも、事故が起こったのに謝罪もないし他人事のような対応をされた。

責任をはっきりさせるために、裁判を起こしました。

 

いかがでしょうか?

 

ご家族さんは施設に感謝していて、きちんと対応していれば裁判にはならなかったのです

 

事故「後」の対応が大切なのです。

 

信頼を積み重ねていても、事故が起こった後の対応が悪ければ怒りを買ってしまいます。

 

では、どのように対応すればいいのでしょうか。

 

「謝ってはいけない!」は本当か?

皆さんは、こういうことを聴いたことはありませんか?

 

自動車で事故をしたとき、先に謝った方が悪くなる。

だから、謝ってはいけないって聞きました。

筆者も、同じことを聴いたことがあります。

 

介護でも同じ風に考える人が居るようです。

 

「謝罪すると、法的な責任をとらされるのでは」と考えてしまうのです。

 

謝罪しなければ、ご家族さんはどう思うでしょうか。

 

ここがポイントです。外岡先生の書籍から引用すると、

 

  1. まずは、ご家族の気持ちに共感する。
  2. 道義的な謝罪をする。(例)「この度は、私たちが至らないせいで痛い思いをさせ申し訳ございません」
  3. 道義的な謝罪をしても、法的な責任の所在は別である

 

介護において「共感する」は最も大切なことです。

 

事故が起こった場合でも「いつも通りに共感すればいい」ということです。

 

普段、私たちが行っていることをそのまま出せばいいのですね。

 

誠意を示すことが重要なのです。

 

道義的に謝罪し責任を認めることと、法的な責任を認めることは別であることを知っておくとも非常に大切ですね。

 

しかし、謝罪するだけでは事故対応になりません。

 

次の章では、事故対応のルールについて見て行きましょう。

 

事故対応の3つのルール

事故対応は先手必勝

転倒や誤嚥が、裁判にまで発展してしまうのは「後手」が原因であることが多くあります。

 

事故が起きてから、詳しい説明がありませんでした。

施設に問い合わせたら、次々に知らないことが出てきて・・・。

事故を隠蔽しようとしているのか!

 

「後手」に回ると、ご家族さんの不信を招いてしまいます。

 

そこで、大切なのは「先手」です。これが1つ目のルールです。

 

事故が起きた場合、どのように対応していくかを施設で決めておくべきです。

 

ご家族が知りたいことや、不安に思うことを先回りして対応するのです。

 

例えば転倒が起きたとします。

 

管理者が状況説明を行い、病院受診の準備を整えた上で家人に連絡を行った。

 

ご家族さんは、どう感じるでしょう?

 

事故が起きたことは残念だが、施設は親身になってくれている。

 

多くのご家族さんは、こう感じると思います。

 

外岡先生の書籍「裁判例から学ぶ介護事故対応」では、こう書かれています。

 

「先手」とは相手への思いやりであり、ホスピタリティ(おもてなし)です。

一言でいえば、相手への「愛」であり思いやりですね。

先手とは、つまり「愛」なのです。

 

そして、その「愛」を相手に伝えていく方法を次の章に書きます。

受容と共鳴

事故が10あれば、事故対応も10通りあります。

 

それは、相手が人間だからです。

 

ご家族さんの希望を聴き、それに応じて対応しなければなりません。

 

ご家族さんによっては、細かい部分を聞いてくる人も居れば、そうでない人もいるでしょう。

 

大切なのは、ご家族さんの気持ちを考えることです。

 

外岡先生の書籍「裁判例から学ぶ介護事故対応」から引用します。

 

世界で唯一の目の前のケースに対応すべく、自身で想像力を働かせ、どのような言葉をかけるべきかを常に考えることが大切です。
 

マニュアル対応のみでなく、「情」が大切なのですね。これが2つ目のルールです。

 

しかし、事故対応は「情」だけでは出来ません。

 

最後の章は「公平・公正」についてです。

 

「公平・公正」とは「理」である

前章では、「情」が大切だと言いました。

 

しかし、事故が施設側に責任がない場合はどうでしょう?

 

ご家族さんへの「共感」は大事ですが、施設としては「無罪」を主張しなければなりません。

 

それが、「理」です。これが3つ目のルールです。

 

順番を間違えて「情」より「理」を先に見せてはいけません。

 

相手の反感を買うことになります。

 

ここで、外岡先生の書籍より引用です。

 

一に先手、二に情を見せ、三で理を説く
 
 
 

順番が大切なのですね。

 

まずは、「先手」で相手を思いやる

 

つぎに「情」で相手に共感する

 

最後に、「理」でこちらの言い分を主張する。

 

順番を間違えて、いきなり「理」を説くと「相互不信」になってしまう。

 

これは覚えておきたいですね!

 

まとめ

ぽんてん
ぽんてん

いかがでしたでしょうか?

今回は、外岡先生の書籍を通じて「介護事故対応」について学びました。

「情」「共感」という言葉が出てきて意外でしたが、嬉しかったです。

 

今回のまとめです。

 

 

 

  • 「落とし穴」はどこの施設にもある
  • 大切なのは、事故「後」の対応
  • 道義的な謝罪と法的な責任は別である
  • 事故対応の3つのルール(先手・情・理)

 

この本を読むまでは、裁判と聞くと「血も涙もないイメージ」でした。(素人なので・・・)

 

しかし、外岡先生の書籍を通じて、

 

裁判や事故対応においても、「人間くささ」が重要なのだと知りました。

 

「情」を出したり、「共感」をしても良いんだ。

 

いや、出さなければならない

 

大切に思っている利用者さんが事故に遭うのです。

 

介護職にとって、「情」や「共感」を出すのは当然のことです。

 

最後に、この書籍を通じて最も印象に残ったのはこの言葉です。

 

「一に先手、二に情を見せ、三で理を説く」

 

まずは、「愛」をもって相手のことを思いやる。

 

次に、相手に共感する。

 

最後に、こちらの「理」つまり主張をする。

 

これは、事故対応だけでなく全てのことに当てはまるのではないでしょうか

 

この言葉を、座右の銘にしようと思います。

 

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

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