はじめに
仕事をしていて、「何か自分だけしんどい思いしてない?」と思ったことはありませんか?
「自分はいつも一生懸命でヘトヘトなのに、あの人は楽そう・・・」など。
「自分は要領が悪いのか?」
そんなことはありません。
人に尽くすことが出来る人こそ、成功している(成果を上げている)のです。
問題なのは、「誰に尽くすか」です。
尽くす相手を間違えると、自分だけがしんどい思いをすることになります。
この記事を読むと、「どう行動すれば自分がしんどい思いをせずに済むか」が分かります。
もっと言えば、無駄なエネルギーを使わずに成功する道筋が見えます。
結論は、次の通りです。
- 全ての人は3種類のタイプに分けることが出来る
- 価値を与え続けるギバー、価値を奪い続けるテーカー、貰った価値だけ返すマッチャー
- 最も成功しているのも、最も失敗しているのもギバー
- この法則を介護現場に置き換えて考える
それでは、詳しく見て行きたいと思います。
人は全て3種類に分けることが出来る
3種類とは、ギバー・テーカー・マッチャー


書籍「GIVE & TAKE 与える人こそ成功する時代」の著者、アダム・グラントは次の様に書いています。
全ての人は、次の3種類のタイプに分けることが出来ます。
右側の数字は、全体に占める割合です。
- 価値を与え続けるギバー(giver) ・・・・・・25%
- 価値を奪い続けるテーカー(taker) ・・・・・・16%
- 貰った価値だけ返すマッチャー(matcher) ・・・・・・56%

与えられた分だけ返す「マッチャー」が半数以上を占めるんですね。
「ギバー」「マッチャー」で全体の8割。
「テーカー」は意外と少数です。
これで、3種類のタイプと割合が分かりました。
次の章で、どのタイプが実際に成果を上げているかを見て行きましょう!
最も成功しているのはギバー、最も失敗しているのもギバー

3種類のタイプで、最も成功しているのはギバーです。
一方、最も失敗している(=結果が伴わない)のもギバーです。
では、それぞれの理由を見て行きます。
失敗しているギバーの原因


成功を収めるギバーと、失敗してしまうギバーでは何が違うのでしょうか?
なぜ、失敗しているギバーがいるのでしょうか?
それは、価値を与える(ギブする)相手を間違えているからです。
自己犠牲のギバーは、テーカーに搾取されます。
テーカーは、どれだけギバーに与えられても、決してお返しをしません。
よって、自己犠牲のギバーは、どれだけ頑張ってもしんどいだけになります。

特に個人の頑張りが数値化されにくい介護現場では、テーカーが得をしてしまう場合がありますね。
次の章で、自己犠牲のギバーから成功するギバーへ変化する方法を考えます。
自己犠牲のギバーから抜け出すには

自己犠牲のギバーから脱却するためには、
自分の利益を考えるギバーになることです。
具体的には、
- テーカーを相手にしない
- テーカーに対しては、マッチャーになる
- ギバーとマッチャーにギブする

テーカーに対して無視をすると、人間関係が悪くなります。
自分が一方的に与えるのではなく、マッチャーとして行動するべきなんですね。
次の章では、ギバーが最も成功している原因について見て行きます。
ギバーが成功している理由について

なぜ、マッチャーやテーカーではなくギバーが最も成功しているのでしょうか?
それは、ギバーが世界を動かしているからです。
「どうすれば、自分たちの会社がもっと良くなるのか」から始まり、
「どうすれば、人々の暮らしを良くできるのか?」
「どうすれば、世の中がもっと豊かになるのか?」
このようなギバーの思いが、会社組織、引いては世の中を動かしているのではないでしょうか?

与えられた価値を搾取するテーカーや、与えられた分をお返しするマッチャーには、こんな壮大なことは達成できないのですね!
介護現場に置き換えてみる
介護はテーカーにとって居心地がいい場所

介護は、個人の成果が数値化されにくい仕事です。
また、介護という仕事がら「奉仕」の心を持つ人も多いと感じます。
管理者も、業務が回れば「OK」を出しやすい面を持っています。
以上を考えると、
介護は、テーカーにとって居心地の良い場所と言えます。
では、テーカーを見分けるにはどうすればいいか、次の章で考えてみましょう。
テーカーの見分け方

介護界にいるテーカーの見分け方について考えましょう。
「自分が困っている時に、すぐに駆け付けてくれない人はテーカーを疑いましょう」
そういうテーカーに対しては、マッチャーとして付き合うのです。
あなたがテーカーを助けても、何も恩恵が無いのですから。

介護は「チームプレイ」です。
スタッフ間の関係が悪化すると、チームに支障をきたします。
テーカーと上手に距離を保つことが重要ですね!
テーカーと距離を保つのは分かりました。
では、どういう人と付き合えばいいのか、次の章で考えてみます。
介護現場で付き合うべきタイプは

ギバーやマッチャーが困っている時は、全速力で助けに行きましょう。
ギバーは当然ながら、マッチャーも助けてくれた人には恩返しをしてくれるからです。
テーカーが困っていても、無視するわけにはいきません。
しかし、優先順位や比重をギバーやテーカーに置くことで、あなたの負担も軽くなるでしょう。
では、もしも「自分がテーカー」の可能性がある場合は、どうするべきなのでしょうか。
次の章で対策を考えましょう。
もし、あなたがテーカーなら・・・
中には、「自分はテーカーかもしれない」と思う人もいるでしょう。
テーカーは、全体の16%と言われています。
もし、テーカーがギバーになりたいなら、次のことを実行しましょう。
人に興味を持ち、人に花を持たせる。そして、人の成功を心から喜ぶ。
これができれば、ギバーの仲間入りが出来ます。
自分が助けたギバーが成功すれば、必ず自分に恩返ししてくれます。
長期的な視点で見れば、テーカーよりギバーの方が得るものは大きいのです。
次の章では、管理職やリーダーのタイプについて考えます。
管理職やリーダーは、ギバーでなければならない

世の中の発展を支えているのは、間違いなくギバーです。
組織が発展するためには、先行投資が必要です。
人材育成や経営面においても、先行投資を行うべき場面が多くあります。
マッチャーやテーカーに、そのような事は出来ないでしょう。
介護においても、管理職やリーダーは必ずギバーが務めるべきです。
不幸にも、テーカーが管理職になった事業所は悲惨です。
スタッフは辞め、利用者も減少します。
事業所は閉鎖へ追い込まれるでしょう。
そういう事例を、いくつか見てきました。
誰を管理者やリーダーに任命するかで、事業所の運命は変わります。
まとめ

今回は、3種類のタイプについて見てきました。
まとめると、以下の通りです。
- 全ての人は3種類のタイプに分けることが出来る
- 価値を与え続けるギバー、価値を奪い続けるテーカー、貰った価値だけ返すマッチャー
- 最も成功しているのも、最も失敗しているのもギバー
「自分ばかりしんどい」原因は、テーカーにばかり価値を与えている可能性があります。
テーカーは、人から価値を奪うだけで決して恩返しをしてくれません。
価値を与えるのは、必ずギバーかマッチャーにしましょう。
テーカーを無視してしまうと人間関係は悪くなります。
テーカーに対しては、自分はマッチャーとして対応しましょう。
最後に、世の中を良くしようと頑張っているのは間違いなくギバーです。
先行投資が苦にならないギバーこそが、世の中を動かしているのです。
もしあなたがテーカーなら、
「人に興味を持ち、人に花を持たせる。そして、人の成功を心から喜ぶ」
これを心がけましょう。
きっと皆は恩返しをしてくれます。
皆がチームや世の中に貢献できれば最高ですね!
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。