はじめに
来年4月、3年ぶりの介護報酬改定が行われます。
現在の介護職を取り巻く環境は、非常に厳しいと言えます。
慢性的な人手不足に加えて、コロナウイルスへの対応に現場は負担を強いられています。
介護に関わる人たちの環境を改善するため、様々な団体が動き出しています。
今回は、現在どのような活動が行われているかについて書いてみたいと思います。
このブログは、介護職の方や福祉分野に興味をお持ちの方を対象に書かれています。
このブログを読むと、以下のことが分かります。
- 介護職50万人規模の署名活動の目的と詳細
- 最新のホームヘルパー協会の動向
結論は、次の通りです。
- 署名の目的は、「介護報酬アップ」と「簡素な加算の仕組み」を要望するため
- ホームヘルパー協会は、「コロナ加算」「土日祝対応加算」を要望
- 介護業界の給与水準を「全産業平均以上」にする
それでは、詳しく見て行きたいと思います。
介護職50万人規模の署名活動の目的と詳細
署名を企画しているのは、UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)という団体です。
NCCUは、以下の要請内容で50万人規模の署名活動を行うとのことです。
- 介護従事者が介護の仕事を安心・安定して永く続けることが出来るように介護報酬を設定してください。
- ご利用者、ご家族、介護従事者が、理解し納得できるよう簡素な仕組みの介護報酬を設定してください。
1について
現在の介護業界の給与水準は、高いとは言えません。
ここ数年、非常に厳しい介護報酬の設定がされてきました。
今回は、介護業界全体が笑顔になれる改定が行われるか注目したいですね。
2について
デイサービスの「コロナ加算」は、利用者さんに一部負担を強いるものです。
そのため利用者や事業所はもとより、市町村にすら理解されにくい制度です。

また通常の加算制度についても、労力と報酬が釣り合わないなどの理由で活用されていないものがあります。

使い勝手が良く、高い報酬が得られる加算制度を望みます。
署名の申込方法などについて
NCCUのホームページによりますと、Webでの署名も可能であるとのことです。
また、プリントアウトして本部へ送付することもできます。
受付期間は、令和2年8月~10月5日です。
ホームヘルパー協会も介護報酬増を希望
国の審議会で行われたヒアリング会で、ホームヘルパー協会は以下のことを要望しています。
- 土日祝に対応した際の「休日加算」算定
- 電話などでコロナ対応をした際の「コロナ特例報酬」算定
1について
訪問ヘルパーは、慢性的な人手不足と言われています。
土日祝日は、なおさらです。
私の法人も、訪問介護部を運営しています。
登録ヘルパーさんによっては、土日祝日の休みを希望される場合があります。
そうなると、常勤スタッフの負担が増えます。
「土日祝対応加算」があれば、出勤したスタッフに上乗せして報酬を支払うことが可能になります。
そうなれば、出勤したいスタッフが増えるかもしれません。
また、事業所の中には自腹で「土日祝手当て」を支給しているところもあります。
国が加算を認めてくれれば、事業所の負担も軽減されます。
2について
コロナウイルスの影響で訪問できない場合、電話などで安否確認を行った際の特例報酬を認めてほしいという内容です。
デイサービスには、電話で安否確認や運動の指導をした際に特例報酬が認められています。
ただ、私の知っている範囲では活用されるケースは少ないと聞いています。
利用者本人は認めても、ご家族さんが電話での特例報酬は賛成しないようです。
「電話なら、家族で対応します。」といったところでしょうか。
個人的な意見ですが、この制度については活用されることは少ないと思います。
まとめ
来年4月に介護報酬改定を控えて、各団体の活動が活発化しています。
今回注目したのは、次の2点です。
- 介護報酬アップに向けた介護職50万人規模の署名活動
- 人手不足に苦しむホームヘルパー協会の要望
どの産業も同じですが、介護業界はコロナウイルス対応に追われています。
ここ数年、満足な介護報酬改定が行われていないこともあり、各団体の要望には本気度を感じます。
全産業平均以上の給与を支払うことが出来れば、人材獲得はかなり楽になります。
介護職員処遇改善加算に匹敵する、大きな「仕掛け」に期待したいところです。
一日も早いコロナウイルスの収束を心より願っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。