はじめに
令和2年6月1日、厚生労働省よりデイサービスなどを対象に「コロナ加算」とも呼べ
る特例が発表されました。
ここでは「コロナ加算」と呼びますが、実際には介護報酬に上乗せ請求を行うもので す。
「コロナ加算」については、過去に取り上げています。


この記事は、これから「コロナ加算」の説明をご家族さんに行う方や、今説明を行っているけどポイントがつかめないと思っている方を対象に書かれています。
利用者さんにも自己負担が発生するこの「コロナ加算」は、なかなか理解が得られにくいです。
しかし、この記事を読めば「コロナ加算」をご家族さんへ説明するときのポイントが分かります。
6月21日現在、ご利用者さんやご家族さんへの説明がほぼ終わりました。
私の勤務するデイサービスは、100名超のご利用者さんがいます。
快く同意してくれる方も、色々とご意見を頂く方も居られます。
そこで今回の経験から、説明時に気を付ける事を書いていきたいと思います。
結論は、
- 同意書を作成し、「最大○○円上乗せ」と記入しておく
- 「算定期間」について説明する
- 加算を頂く根拠(頑張っている内容)を説明する
100名超のご利用者さんやご家族さんから頂いたご意見のほとんどは、この3点についてでした。
それでは、詳しく書いていきたいと思います。
「コロナ加算」説明時に気を付けること
同意書の内容
「コロナ加算」の内容は、「通常よりも2区分長い介護報酬で請求できる」というものです。
料金に変更があるときは、必ず「同意書」が必要になります。
後々のトラブルを避けるためです。
(ちなみに、「消費税アップ」や「昼食費アップ」の際にも同意書は必要です。)
これが大切なのですが、
今回の「コロナ加算」同意書は、決まった書式がありません。
各事業所が、自由に作成することになっています。
同意書作成の際には、
同意書の内容に、金額を入れておくことをオススメします。
介護度や、月の利用回数によっても上乗せ額は変わります。
ですから、「介護度●の方は、最大○○円上乗せします」と記入しておくとよいと思います。
当たり前に思われるかもしれません。
しかし、私の事業所の同意書は金額が入っていませんでした(本部が作成したもの)
「2区分上乗せ」とだけ書いてありました(泣)
その結果、「金額が入ってないと分からない」と言われることが多かったです。
これから同意書を作成される際は、参考になさってください。
算定期間について
続いて「コロナ加算」説明時に気を付けることは、算定期間についてです。
今回の「コロナ加算」について、「いつまで加算する」のか分かりません。
つまりこの加算が、あと1か月で終わるのか1年後に終わるのかが分からないということです。
理由は、厚生労働省の発表に明記されていないからです。
ただ、「臨時的な」と書かれていますのでそんなに長期にはならないと思われます。
今回私がご家族さんへ説明した際には、この期間に対する苦情も多かったです。
「いつまで加算するのか分からないのは不安だ」
と、2割負担の人が言っていました(毒)
「通達に明記していないから、仕方ない。デイサービスさんには、いつもお世話になっているから同意はします。」
と言われる方が大半でした。
利用者さんやご家族さんとの信頼関係が大切だと、改めて感じました。
加算の根拠について
「コロナ加算」説明の際に気を付けること。
最後は、「加算の根拠」についてです。
ここでいう根拠とは、
普段、コロナウイルス対策としてこのように対策を行っている。ということです。
例えば、
- 施設内の手すりや公用車の消毒
- 利用者さんへの手指消毒
- スタッフの体温チェック
- 「密」を避けるための工夫
アルコール消毒液の代金など、デイサービス事業所の負担が増えているのは確かです。
「これだけのことをやって努力している」ことをお話しましょう。
きっと、大半の方はご理解いただけると思います。
最後に・・・
今回は、「コロナ加算」説明時に気を付けるべきことを書かせて頂きました。
特にこの3点については、慎重に説明する必要があると思います。
- 同意書を作成し、「最大○○円上乗せ」と記入しておく
- 「算定期間」について説明する
- 加算を頂く根拠(頑張っている内容)を説明する
同意書の内容や、算定期間については通達に明記されていません。
だからこそ、しっかり同意して頂けるよう説明ツールが必要になってきます。
おぼつかない説明をして、せっかく築き上げた信頼を失わない様に気を付けたいですね。
普段からの信頼関係が、こういう時に活かされると感じています。
コロナウイルスの影響下でも、デイサービス営業の自粛要請はありませんでした。
デイサービスに行かないと、「お風呂に入れない」「食事が無い」「話し相手がいな
い」利用者さんも居られます。
そんな方たちの為にも、デイサービスは運営を続けていかなければなりません。
今回の加算は、利用者さんにも負担を強いるものです。
しかし、利用者さんとスタッフを守るために勇気をもって行動することも必要です。
利用者さんやご家族さんのご厚意に応えられるよう、明日からも頑張りたいと思いま す。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。