はじめに
みなさんは、介護をしていて怒ったことはありますか?
利用者さんのこと、スタッフのこと、法人のこと・・・。
数え上げれば、キリがありません。
この記事を読んでいる人の中で、「自分は介護職だから、利用者さんに怒ってはいけない」や「自分は新入りだから、先輩に怒ってはいけないんだ」と思っている人はいませんか?
また、「自分はすぐ怒ってしまうけど、どうすれば怒りをコントロールできるんだろう」と思っている人も居られるかもしれません。
この記事は、ずっとそういう悩みを持ち続けている人に向けてに書かれています。
この記事を読むと、次のことが分かります。
- 怒りをコントロールする考え方(アンガーマネジメント)
- 介護現場での実例を用い、怒りのコントロールをイメージしてみる
結論は、次の通りです。
怒りをコントロールするには、
- 6秒がまんする
- 不要な~すべきを手放す
- どうしようもない事は割り切る
以上です。
一説には、「人は怒りを上手にコントロールできると、年収が約2倍になり、平均寿命が7年長くなる」とも言われています。
必ずマスターしたいですね!
それでは詳しく見て行きたいと思います。
日常で怒りを感じることは多々ある

介護の仕事であれ、他の仕事であれ、怒りを覚えることは多くあると思います。
もちろん、仕事のない休日でも怒ることはあります。
それでは、怒ることは悪いことなのでしょうか?
「怒らないでおこう」と頑張っても、想定外のことが起きるとつい怒ってしまう。
それが人間です。
ここで登場するのが、「アンガーマネジメント」の考え方です。
1970年代にアメリカで広がり、現在でも多くの研修で引用されています。
「怒らないことを目指すのではなく、怒りと上手に付き合う」という考え方です。
われわれ介護職にとっても、この考え方が出来れば非常に有益だと思います。
アンガーマネジメントを実践するために

では、怒りと上手に付き合うアンガーマネジメントを実践するには、どうすればいいのでしょうか。
答えは、この3つです。
- 6秒我慢する
- 不要な~すべきを手放す
- どうしようもないことは割り切る
1、怒りのピークは6秒間で過ぎ去ると言われています。
言い争いになったり、モノに当たったりしてしまうのも「6秒間」で起こってしまうのです。
逆に言うと、その「6秒間」さえやりすごせば、怒りは収まることになります。
2、「~であるべき」という考えは、人それぞれです。
「後輩だから~あるべき」とか、「介護職だから~あるべき」という考えに個人差があるため、怒りが生じます。
「自分と他人の考え方は、違って当然」という思考を持つと楽になります。
3、どうしようもないことにイライラしても、結果は変わりません。
割り切って、あきらめてしまうことも大切です。
あきらめることは、決して悪いことではありません。
介護現場での事例を通して、アンガーマネジメントを考える

ここでは、筆者の介護施設で実際に起こった出来事を通して考えてみます。
ある日、職員のAさんが利用者様に食事介助をしていました。
すると、突然利用者さんがAさんの頭を軽く叩いたのです。
(利用者さんは、麻痺があり力は強くありません。)
職員のAさんは驚きもあったのか、
「やめてください!痛いじゃないですか!!」
と、全力で怒りました。
利用者さんは「ごめんなさい」と謝罪されました。
そして、それ以上の暴力は無かったのです。
職員Aさんの対応は、正しいのか?

実はこの利用者さんの暴力は、たびたびありました。(とはいえ、麻痺もあるため全く痛くはありません)
しかし、Aさんのように本気で怒ったスタッフは一人も居ませんでした。
利用者さんが「ごめんなさい」と謝罪してくれたことで、「時には怒りを見せることも大切なのでは?」という意見がスタッフから出たのです。
アンガーマネジメントに当てはめて評価する

アンガーマネジメントに当てはめると、今回のAさんの行動は以下の通り評価されます。
- 怒りの「6秒間」を我慢せず、怒りのピークで行動した。
- 「介護員だから我慢すべき」という考えを捨てることは出来ていた
Aさんが怒りに任せて行動(発言)したことは、プロとして正しいとは言えません。
しかし、「介護員だから我慢すべき」という考え方は捨てることが出来ていました。
そのおかげで、それ以上の暴力を防ぐことが出来ました。
結論として、
6秒間怒りを抑えて、毅然とした態度で「やめてください」とお願いする。
これが出来ていれば、ベストだったのではと考えます。
まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は、アンガーマネジメントという考え方について見てきました。
1970年代にアメリカで生まれ、「怒らないことを目指すのではなく、怒りと上手に付き合う」という考え方です。
「怒ってはいけない」という無理な押さえつけよりも、自然であると感じます。
おさらいすると、アンガーマネジメントを実践するためには次の3つが必要です。
- 6秒がまんする
- 不要な~すべきを手放す
- どうしようもない事は割り切る
介護職にとって、この考え方は非常に有効だと感じます。
「介護職だから~すべき」とか「高齢者だから~すべき」など、良くも悪くも固定概念に縛られているからです。
先ほどの事例のように、時には声を上げることも必要かもしれません。
「どうせ介護は~だから」という諦めだけはしたくありません(泣)
一説には、「人は怒りを上手にコントロールできると、年収が約2倍になり、平均寿命が7年長くなる」とも言われています。
良いこと尽くめの「アンガーマネジメント」。
必ずマスターしたいですね。
筆者も頑張ります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。