介護施設で勤務するには、資格は必要ありません。
「でも、何の資格も持ってないのは不安」という方も居られると思います。
そういう方のための資格が、「介護職員初任者研修」です。
(以下、初任者研修と呼びます)
私は普段はデイサービスに勤務していますが、法人が初任者研修を開催する資格を持っています。なので、年に数回は研修講師として教壇に立つことがあります。
受講生の方は、年齢も職業も様々・・・。だからこそ、楽しいんですが(笑)
ここでは、初任者研修がどのような資格かを説明したいと思います。
どんな人に向けた資格?
その名の通り、「これから介護職員として働きたい!」と思っている方のための資格です。
資格といっても、「自宅で勉強⇒受験」のスタイルではありません。
130時間の講義を受講します。確認テストのようなものはありますが、真面目に受講していれば不合格になることはありません。
私の勤務する法人も研修を開催していますが、今まで不合格者はいません。
ただし、所定の時間を受講しなければもちろん失格です。
(遅刻や欠席も原則禁止!!)
座学もあれば、実際に実技も行うので意外と短く感じるかも・・・。
また、働きながらでも受講できるようにスケジュールが組まれた講座もあります。
夜間開催や、土日限定開催も行われている場合があるので、各法人に問い合わせましょう。
どこで受けられるの?
介護職員初任者研修を開催している法人は多くあります。
費用は、8~11万円程度と事業所により違いがあります。
もしも、あなたが転職を考えていたり失業しているならハローワークへ問い合わせをすることをオススメします。タイミングがよければ、無料で受講できるかもしれません。(テキスト代は必要)
なぜ無料で受けられるかというと、国が介護人材を育成する事業を行っているからなんです。
ハローワーク以外でも、多くの法人が開催しているので、インターネットで検索すればたくさんヒットすると思います。
また、市町村によっては研修費用を一部もしくは全額負担してくれる場合もあります。
必ず役所などへ確認しましょう。
どんな内容を勉強するの?
以下が、実際のカリキュラムです。
<介護職員初任者研修のカリキュラム>
科目 | 時間数 |
---|---|
職務の理解 | 6時間 |
介護における尊厳の保持・自立支援 | 9時間 |
介護の基本 | 6時間 |
介護・福祉サービスの理解と医療との連携 | 9時間 |
介護におけるコミュニケーション技術 | 6時間 |
老化の理解 | 6時間 |
認知症の理解 | 6時間 |
障がいの理解 | 3時間 |
こころとからだのしくみと生活支援技術Ⅰ 基本知識の学習 | 12時間 |
こころとからだのしくみと生活支援技術Ⅱ 生活支援技術の学習 | 53時間 |
こころとからだのしくみと生活支援技術Ⅲ 生活支援技術演習 | 10時間 |
振り返り | 4時間 |
合計 | 130時間 |
けっこう、ビッシリあります・・・。
介護を行う上で、最も大切なのは「高齢者の尊厳」を守ることです。
相手を尊重した上で、コミュニケーションを行うことを学びます。
また、高齢者の歩行、入浴、排せつのお手伝いの方法を学びます。
その他、介護に関することを一通り学びます。
テキストも結構分厚いです(汗)
でも、講師の方々が分かりやすく説明してくれると思います。
冒頭でもお話しましたが、この講座は介護職をスタートするための講座です。
講座を受講することによって、自分が仕事している姿をイメージすることも出来ます。
初任者研修は絶対受けなければならないの?
冒頭でもお話しましたが、そんなことはありません。
全くの無資格ながら施設で勤務する人もいます。
でも、もしあなたが訪問ヘルパーとして勤務したいなら、初任者研修は必要です。
無資格者は、訪問ヘルパーとして業務を行うことが出来ないからです。
これは覚えておいて下さい。
もし訪問ヘルパーとして働く予定がないなら初任者研修は不要です。
しかし、無資格で勤務してきた人が、初任者研修を受講するケースも多くあります。
中には数年働いてから受講される方も居られるほどです。
理由は大体こうです。
「今までは、現場で教わって見様見真似でやってきた。
でも、きちんと勉強して知識を身に着けたい」
やはり、きちんと系統的に学ぶことは大切なのだと感じます。
最後に・・・
僕は、10年前に初任者研修を受講して介護の仕事に就きました。
(当時はヘルパー2級研修と呼ばれていました。)
研修を受けていましたが、現場に出ると何をしていいか分からずオロオロしたものです。
研修を受けたからといって、すぐに何でも出来るかといえばそれはNOです。
利用者さんの状態はそれぞれ違いますし、介助方法も異なります。
研修で習うのは、「イロハのイ」です。
でも、それを知っているのと知らないのでは大きく差があります。
皆様が、良いスタートダッシュを切れることを願っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。