来年4月から新しい加算
厚生労働省は、通所介護の「入浴介助加算」見直しを検討しています。

来年4月から、デイサービスの入浴加算が変わるようですね!
どんな風に変わるのでしょうか?

コロナウイルスの影響の中、みんな頑張ってるんだもん。
報酬を引き上げてくれるのかな?

通常の入浴加算は引き下げられます。
しかし、利用者さんが自宅で入浴できるように計画を立て、入浴介助を工夫すれば通常よりも高い加算が取得できます。

利用者さんが自宅で入浴できるのは、とても良いことだけど・・・。
一人暮らしの利用者さんは、自宅のお風呂が怖いってよく聞くわね。

万一、気分が悪くなったり転倒したら誰も助けてくれないもん。

重度の利用者さんはどうなるんですか?
自宅で入浴出来ないから、デイサービスに来ているのに・・・。

個別計画を実施しなければ、今までよりも報酬は引き下げられてしまいます。
他にも、この制度には問題がたくさんあります。
今回は、新しい入浴加算について見ていきましょう!
みなさん、こんにちは。
デイサービスで管理者をしている「ぽんてん」と申します。
来年4月から、デイサービスの入浴加算が変わります。
今回は、新しい入浴加算についてお話したいと思います。
まず、結論からお話します。
◎デイサービスの新しい入浴加算について
おそらく、多くのデイサービスでは入浴介助加算は減少するでしょう。
それじゃあ、どうするか?
自宅での入浴を推進するのは、とてもいいことです。
しかし、筆者が恐れるのは、
通常の入浴加算が引き下げられて、トータル収入がマイナスになるのではないか?
ということです。(現行の入浴加算は50単位/日)
結局は、
デイサービス最大の加算「入浴加算」にメスを入れたかっただけ
と考えてしまいます。
だからこそ、減少分をLIFE加算やADL維持加算で補う必要があります。
それでは詳しく見ていきましょう!
詳細は、こちらにて取り上げております。
新しい入浴加算とは

厚生労働省は来年4月、デイサービスの入浴加算の制度を変更する計画です。
目的と内容は、次のとおりです。
目的
デイサービスで入浴している利用者さんが、なるべく自宅で入浴できるようにすること。
要するに環境やADLの面で、

もうちょっと頑張れば、自宅で入浴できるやん!
ぼくらが(医師やPT)計画立てるから、自宅で入浴しよ!
という感じですね。
それでは、内容について見ていきます。
内容
「もう少しで自宅で入浴できる」利用者さんに対して、
- 医師や理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、介護福祉士などが自宅を訪問
- みんなで計画を作成
- 計画に基づいて、自宅やデイサービスで入浴する

コロナ禍で、自宅訪問の上協議してみんなで計画作成・・・って鬼?
入浴加算、どれくらい上がるの?
自宅で入浴されると、デイサービス収入は減るのでは?
個別入浴の加算を、よほど上げてもらわないとデイサービスの収入は減少ですね・・・。
現行の50単位から55単位に上がりますが、何しろニーズが少なそうです。
トータルで考えるとプラスになる事業所は少ないでしょう。
「少し頑張れば」入浴できる利用者は・・・

こんな人には、とても良い制度です。
- 手すりや踏み台など、ちょっとした福祉用具で自宅入浴できる方
- 少しリハビリを頑張れば、自宅入浴できる方

しかし、対象になる利用者さんが何人いるか・・・。
筆者の施設では、せいぜい1~2割程度だと思います。
自宅で入浴が困難な人とは・・・
自宅で入浴ができない方は、このようなケースが考えられます。
- 重度であり、リフトなどの設備が自宅にない
- 浴槽が深すぎたり、ボイラーなどが故障している
- 一人暮らしなどで、事故が怖い

そもそも少しの努力で入浴できるなら、既に入浴していると思います。
予想されるデメリット

厚生労働省が、来年4月に導入を検討している新しい入浴加算のデメリットについて見ていきます。
通常の入浴加算が引き下げ
通常の入浴加算の引き下げが、一番のデメリットです。(50単位➡40単位)
頑張って個別計画を作成しても、通常の加算が引き下げられては・・・。
デイサービスの収入としては、トータル減収になるのではと思います。

自宅での入浴を希望しない方は、計画も不要です。
そうなると、今まで通り介助しても加算は減少します。
これって、「介護職イジメ」なのでは?
訪問や計画に手間ひまが掛かる

医師や理学療法士、介護福祉士が訪問し多職種で計画を作成することになっています。
コロナ禍では、担当者会議を行うことも難しいです。
そして、個別計画を作成するにも手間ひまが掛かります。

事業所の中には手間が掛かるのを嫌い、新しい入浴加算を取得しないところもあるでしょう。
厚生労働省は、それも「計算」しているのでしょうか・・・。
重度者はどうなるの?
重度の方は自宅での入浴を希望しないでしょう。
逆に、自宅で入浴できないからデイサービスに来られているのです。
よって、
「重度の方は個別入浴計画は希望しない ➡ 入浴介助加算は、減少」
となります。

個別入浴計画は、とてもいいことですよね。
しかし、通常の入浴加算を引き下げては本末転倒!
「デイサービスいじめ」としか感じません。
それでは、次の章では結論を見てみましょう!
結論

今回は、少し厳しく言わせてください。
政府は、こう思っているはずです。
個別入浴のニーズは高くないし、手間を嫌って放置する事業所も多いだろう
デイサービス最大の入浴加算を、これで抑制できる(笑)

入浴介助加算が下がってしまうのは、仕方ありません。
ADL維持加算や、LIFE加算を取得していくしか道はないと筆者は考えます。
最後に

いかがでしたでしょうか?
今回は、デイサービスの新しい入浴加算について見てきました。
それでは、今回のおさらいです。
◎デイサービスの新しい入浴加算について
自宅での入浴を推進するのは、とてもいいことです。
しかし、入浴介助加算の引き下げは納得できません。
コロナ禍において、
「多職種で利用者宅を訪問すること」
「担当者会議を開き計画を作成すること」
これは、かなりの労力と時間を必要とします。
事業所の中には、手間を嫌い取得しないところも多くあるでしょう。
きっと、政府は全て計算しているのだと思います。
政府は、デイサービス最大の加算「入浴加算」を減少させたいだけなのです。
普通に下げれば批判されるので、手の込んだことを・・・。
個別対応しないなら、報酬さげちゃうよ~。
って、笑っている姿が浮かびます。
コロナ禍において、現場で命を懸けている介護職に失礼な制度です。
政府は、「自立支援」「重度化防止」に舵を切っています。
入浴介助加算は減少しますが、LIFE加算やADL維持加算などでカバーしたいところですね。
少し表現が厳しくなり、皆様に不快な思いをさせていたら申し訳ございません。
今回も最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。