はじめに

いよいよ新型コロナウイルスのワクチン接種が始まったね。

うん。
優先順位は、医療従事者→高齢者→施設系の介護職やね。

なんで、在宅系介護職(訪問ヘルパーやデイサービス)は入ってないのかな?

ほんまや!
在宅も施設も、同じ介護やのに!

厚生労働大臣は、「施設は代わりが利かない。在宅サービスは、コロナが出ても他の事業所に変えればいい。」と話しています。
当然、この返答には賛否両論あるようです。
介護職の労働組合「ユニオン」も、在宅介護職へワクチン接種を行うように要望書を提出しました。
みなさん、こんにちは。
いよいよ、新型コロナウイルスのワクチン接種が開始されました。
今回の記事では、「介護とコロナワクチン」について考えてみたいと思います。
それでは、まず今回のポイントと結論です。
- クラスター発生ナンバーワンは、介護施設
- 高齢者の予防接種は4月スタート予定(介護は、それ以降)
- 在宅系介護職(ヘルパーやデイサービス)は後回し
◎施設系介護も優先的にワクチンを打つべき理由4つ
- 「在宅系は代わりが利くは」間違いだから
- 在宅系と施設系を完全に分離するのはムリだから
- コロナ後の経営が危うくなるから
- 介護は「クラスター発生最多」だから
それでは、詳しく見ていきましょう!
「クラスター発生」最多の場所は介護施設


全国のクラスター発生は約5000件です。(令和3年2月現在)
内訳は、介護施設約1000件、飲食店が950件、企業が940件、医療機関が870件、学校・教育施設が620件です。
介護は、どうしても「密」になってしまいます。
「飲食店」を押さえて「介護施設」がクラスター発生最多である
という事実は、意外と知られていない気がします。
介護職自身もあまり認識がないのではないでしょうか。

筆者も、「介護がクラスター発生最多」の事実を知りませんでした。
やはり「介護」には、スポットライトが当たりにくいのでしょうか?
みなさんは、いかが思われますか?
これからのワクチン接種は?


ワクチン接種の優先順位は、次のとおりです。
『医療従事者→高齢者→施設系の介護職』です。

医療従事者って、全国に何人くらいいるのですか?

医療従事者は当初370万人と予測されていましたが、100万人くらい増えるようです。
470万人程度の見込みです。

高齢者は、3600万人と言われてますね。
すごい数だけど、スムーズにいくのかな?

そこは、政府もかなり慎重になっているようです。
高齢者への接種は、4月から配送やシステムを確認しながら行うと発表しています。

介護職の接種は、【高齢者の次】ですよね!
何月になるか、分かりませんよね。

介護職への接種が何月になるかは未定です。
しかも優先されるのは、施設系職員だけ。
在宅系職員は、まだまだですね。
次章では、なぜ在宅系介護職へのワクチン接種が後回しなのか見ていきます!
在宅系介護スタッフへのワクチン接種が後回しの理由


介護施設の場合、クラスターが発生してもそのままサービスを提供していく必要があります。
でも、在宅サービスの場合は、事業者を変えるなどの対応もとれますよね~。

要するに政府は、「在宅系はクラスター発生しても何とでもなる」と話しているんです。
もちろん、野党は「現実を見ていない」と反撃しています。
介護職でつくる労働組合「日本介護クラフトユニオン(NCCU)」も、在宅系介護職へも優先接種を行うよう、要望書を厚生労働省に提出しました。
NCCUは、「ここぞ!」という時に動いてくれますね。心強いです。
しかし、政府の反応は依然変わらずです。
流れは変わるのでしょうか?
次章では、在宅介護職もワクチンを打つべき理由について見ていきます
在宅介護職もワクチンを優先すべき4つの理由

筆者の勤務する法人には、次のような建物があります。
【1階が認知症対応型デイサービスで、2階・3階がグループホーム】
政府の方針では、
2、3Fのスタッフへ接種を行うが、1Fのスタッフへは接種を行わない
ことになります。
出入口や厨房は共通で、行き来を無くすのは困難です。

法人内で、施設系だけ接種するのは本当に有効な手段なのか?
通所系が感染したら、結局広がるのでは…?
と不安に思う訳です。
それでは、「在宅介護サービスもワクチンを優先すべき4つの理由」を見ていきましょう!
急にサービス変更なんてムリだから


介護施設の場合、クラスターが発生したとしてもそのままサービスを提供していく必要があります。
でも、在宅サービスの場合は、事業者を変えるなど別の対応もとれますよね~。
デイサービスでクラスターが発生した場合、
とりあえず訪問ヘルパーへ頼もう!
となるでしょう。
しかし、空きがあるかは疑問です。(筆者の法人の場合)
訪問ヘルパーは有効求人倍率は15倍です。
空前の人手不足・・・。
デイサービスにしても同じです。
お風呂や食事を目的にしているデイサービスは、コロナ禍でも盛況です。
気軽に事業所を変更できるほど甘くないでしょう。
バックヤードでつながっているから

デイサービスが1Fにあり、グループホームが2Fにあるなど。
建物の中で、玄関や厨房を共有している場合があります。
筆者の施設では、完全に遮断することは不可能です。
政府の計画通り、施設系のスタッフにワクチン接種を行ったとします。
しかし、バックヤードでつながっている場合もあります。
接触をすべて無くすのは難しいです。
経営状況が危ぶまれるから

デイサービスでクラスターが発生した場合、事業所の運営はどうなるでしょうか?
保健所や行政の指導を受け、営業再開してどれくらいの利用者さんが帰ってきてくれるか?
やってみないと分かりませんが、6~7割戻ればいい方ではないでしょうか?

昨年の介護事業所の倒産件数は、過去最多です。
コロナが落ち着いた時には、事業所はない・・・。
そんな悲しい現実を迎えたくないですね。
クラスター発生場所「ナンバーワン」だから

全国のクラスター発生は約5000件です。(令和3年2月現在)
内訳は、介護施設約1000件、飲食店が950件、企業が940件、医療機関が870件、学校・教育施設が620件です。
あまり大きく報道されませんが、介護施設はクラスター発生最多です。
施設であれ、在宅であれコロナが最多である介護全体へワクチン接種を優先すべきです。
災害時やコロナ禍であっても、事業継続を求められています。
介護は、自粛する訳にはいかないのですから。

在宅、施設の線引きはナンセンス。
在宅系から施設へウイルスが流入するリスクがあるからです。
とにかく、希望する人へ一日も早くワクチンを届けてほしいです。
まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は、「介護とコロナワクチン」について考えてみました。
それでは、今日のおさらいです。
- クラスター発生ナンバーワンは、介護施設
- 高齢者の予防接種は4月スタート(介護は、それ以降)
- 在宅系介護職(ヘルパーやデイサービス)は後回し
◎施設系介護も優先的にワクチンを打つべき理由
- 「在宅系は代わりが利くは」間違いだから
- 在宅系と施設系を完全に分離するのはムリだから
- コロナ後の経営が危うくなるから
- 介護は「クラスター発生最多」だから
政府の方針では、医療従事者、高齢者の後に施設系介護職へワクチンを接種することになっています。
しかし、在宅系の介護職は後回し・・・。
理由は、「在宅サービスは替えが利くから」というものです。
災害であっても、コロナ禍であっても事業継続を指示している割には、
政府は、在宅系を軽く見ているのではないでしょうか?
この理由が、私をモヤモヤな気分にしています。
介護だけを優先させろとは言いませんが、この線引きは正しいのでしょうか?
もし、在宅系介護職も優先にしたとして誰か文句を言うのでしょうか?
決して政府に文句を言うつもりはないのですが、何かスッキリしません。
重要でない職業なんて、ひとつもありません。
警察官も消防士も、保育士さんも同じです。
ワクチンを希望する人への接種が、一日も早く行われますように。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。