はじめに
介護の仕事をしていて、「転職したいなあ」と思うことはありますか?
誰でも一度くらいは転職したいと思ったことがあるはずです。
前回の記事で、「介護の転職したくなる理由」について取り上げました。
今回の記事は、次のような人を対象に書かれています。
- 違う施設に転職したいけど、迷っている
- どういう基準で転職したらいいか分からない
勢いで転職したのはいいけど、もっと悪い環境になってしまうケースもあります。
私は、現在デイサービスで施設長をしています。
介護歴は10年です。
今まで、いろんな人が退職したり入社したりするのを見てきました。
その経験から、記事を書きたいと思います。
参考になれば嬉しいです。
この記事を読むと、次の2つの事が分かります。
- 「転職を繰り返してきた人の体験談」から見えたこと
- 転職するかどうかのライン
結論は、次の通りです。
- 周囲に理解者がどれくらいいるか
- メリットとデメリットを想定する
- ブラック企業は、即退社
それでは、詳しく見て行きたいと思います。
「転職を繰り返してきた人」の体験談
私の勤務する施設に、“めっちゃ”仕事の出来る人(Kさんと呼びます)が居ます。
介護技術や知識、考え方、どれをとっても「リーダー」いや「管理者」クラスです。
しかし、そのKさんは今までに3施設を渡り歩いてきた苦労人です。(私の施設で4つ目)
転職した理由をお聞きすると、「特に不満はなかったけど、違う施設も見てみたかった」と言うのです。
何となく共感する部分、ありませんか?
「別の施設へ転職して、色んな経験をしたい。」そう思うことは誰にでもあるはずです。
私はKさんに質問を続け、「どこの施設が一番よかったか」尋ねました。
すると、Kさんは迷わずこう言いました。
「今の施設は、雰囲気もいいし気に入っています。他の施設もそれぞれ良いところがありました。でも、やっぱり初めに勤務した施設が一番よかったなあ。」
素直な気持ちだと思いました。
人間は、一番初めに見たもののインパクトが強く残ります。
最初に教えられたことが、自分の「型」になる。
もちろん、ケアそのものは共通しているでしょう。
しかし、各施設は独自の「ものの見方」や「考え方」、そして「空気感」みたいなものを持っています。
言葉では表せない微妙なところですが、きっと初めて勤務した施設の「空気感」に染まっているのだと思います。
そして、それは消そうとしても消せないというところでしょうか。
体験談を聴いて感じたこと
“めっちゃ”仕事が出来るKさんは、今まで3施設を渡り歩いてきました。
そのKさんの体験談から、次の事を感じました。
- 決定的な退職理由が無ければ、初めの施設で働くのがベスト
- 人間の適応力はすごいけど、初めての「空気感」は残っている
初恋の相手が良く思えることもあります。
特に大きな理由が無いままに転職すると、後悔してしまうかもしれません。
もちろん、ブラック企業やパワハラ上司がいるなどのケースは例外です。
自分がしんどくなる前に、すぐに退職しましょう。
転職するかどうかのラインについて
Kさんの体験談から、「大きな理由がなければ、一番初めの施設で勤務するのがベスト」という結論が出ました。
「じゃあ、大きな理由」って何?と思いますよね。
ここでは、私なりに考える「転職するかどうかのライン」について書きたいと思います。
周囲に理解者がいるかどうか
私は、これが一番大きい基準であると思います。
人間関係などで悩んでいても、理解者が居てくれるなら我慢するのもいいと思います。
なぜなら、転職しても必ず嫌な人は居るからです。
新しい施設へ転職しても、「理解者さえ居ない」というのが最悪のケースです。
ですから、理解者は本当に大切にして下さい。
理解者は同僚でも後輩でも心強いですよね。
でも、それが上司であれば更に良いと言えます。
例えば、他部署の管理者と面識があれば、次の人事異動で引き抜いてくれるかもしれません。
日常から、挨拶したり世間話をして人脈を作っておくのも大切ですね。
メリットとデメリットを想定してみる
前章で、「何となく転職すること」が危険であることを見てきました。
ここでは、転職することによるメリットとデメリットを想定してみたいと思います。
転職のメリットと言えば…
- 給料アップ
- 人間関係の改善
- やりたい仕事が出来た
こんなところでしょうか。
また、転職するデメリットは、
- 環境が変わる
- 人間関係を一から築いていかなければならない
- 全てが未知数
筆者の場合、デメリットの「人間関係を一から構築」が重くのしかかります。
これまで長年築いてきた信頼関係を、また一からというのは「しんどい」です。
仮に、給与が少し上がる「メリット」があったとしても、人間関係を一から構築するの「デメリット」の方が大きいと感じます。
このように、メリットとデメリットを冷静に比較してみましょう。
「未知数だらけの見通しでも今よりましだ!」と本当に思えるなら転職してもいいかと思います。
それと、もう一つ。
介護の世界では、「出戻り」は決して珍しくありません。
「別の施設へ行ってみたけど、やっぱり戻ってきちゃった!テヘ((⋈◍>◡<◍)」
みたいなのも正直あります。
ちょっと恥ずかしい気もしますが、何年か経過すると皆意識しなくなるので大丈夫です。
最後に
今回は、退職を考える際の「ライン」について考えてきました。
退職を考える際に考慮すべきなのは、以下の通りです。
- 周囲に理解者がどれくらいいるか
- メリットとデメリットを想定する
- ブラック企業は、即退社
最悪なシナリオは、
「転職したはいいものの、パワハラ上司ばかりで理解者もいない・・・。」
そんな結末です。
転職サイトも増えてきて、お手軽に転職ができる世の中です。
今の環境が、「本当に転職しなければならないほどひどいものなのか」よく考えてから行動するべきだと思います。
得られるものと、失うものをしっかり考えたうえで行動しましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。