「介護報酬上乗せ」を実際に説明してみて思ったこと~コロナ加算の良い点悪い点~

施設での取り組み

令和2年6月1日、厚労省よりデイサービス救済措置とも言える

  

「介護報酬の上乗せ」を特例として認めることを発表しました。

  

私は、地方都市のデイサービスに勤務しています。

 

実際に、「介護報酬の上乗せ」についてケアマネジャーさんや

 

ご利用者さんやご家族さんへ説明してみました。

 

結論から言いますと、

 

ケアマネジャーさんは、ほぼ協力的。しかし数名の方は、若干の不快感を示した。

ご利用者さん、ご家族さんは快諾して下さっている。(現在のところ)

 

上記のとおり、ほとんどの方が協力的です。

 

ケアマネジャーさんの中には、利用者さんの負担を強いるのが心苦しいとの

 

意見を頂戴しました。

 

ご利用者さんやご家族さんからは、現在のところ協力を頂いています。

 

「介護報酬の上乗せ」は、事業所に救済とも呼べる利益を生みます。

 

しかし、利用者さんに負担が発生するという事を忘れてはいけません。

 

それでは、詳しく見て行きたいと思います。

 

また、2021年介護報酬改定における加算についての記事はこちらをご覧ください。

 

 

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「介護報酬の上乗せ」計上への準備

ケアマネジャーさんへの連絡

 

 

デイサービス救済とも呼べる、「介護報酬上乗せ」。

 

しかし、計上するためには準備が必要です。

 

それは、

  • ケアマネジャーさんとのすり合わせ
  • ご利用者さん・ご家族さんへの説明と同意を得ること  

 

の2つです。

 

介護報酬の上乗せは、利用者さんに一部を負担して頂く制度です。

 

しかも、支給限度額内で上乗せを行わなければなりません。

 

ですから、私はまずケアマネジャーさんに電話をして、

 

介護報酬の上乗せを計上する意向を伝えました。

 

次に、これが大切なのですが、

 

支給限度額いっぱいの方や経済的に余裕のない方を教えて頂き、

 

その方たちへは、上乗せを行わない旨を伝えました。

 

そうすると、ほとんどのケアマネジャーさんは好意的に協力して

 

下さいました。

 

ただ、一部のケアマネージャーさんからは以下のような苦言を頂きました。

 

「実際には、利用していないのに上乗せするのか。」

「デイサービスのコロナ対策である消毒作業などは、利用者さんが

  見ている訳では無い。」

 

こちらからは、真摯に以下のことを伝えました。

 

・利用者さんには同意書をいただき、トラブルにならないようにする。

・自己負担や経済的に余裕がない人には、無理強いをしない。

今後も、消毒作業などの感染症予防に努める。

 

普段からの信頼関係もあり、納得していただくことができました。

ご利用者さん、ご家族さんへの説明

 

ケアマネージャーさんとのすり合わせで、限度額いっぱいの方や

 

経済的に厳しい方はあらかじめ計上しません。

 

説明の際には、

実際にいくら上乗せになるのか

あくまで臨時的なもの

国(厚労省)が認めているもの

今後もコロナ対策として、予防に努める

 

この4つを説明しました。

 

その上で、後のトラブルを防ぐために同意書を頂きました。

 

どのご利用者さんやご家族さんからも快諾を頂きました。

スタッフの反応

 

 

介護報酬の上乗せに関して、上記のような準備を行いました。

 

そして、全ての利用者さんへ説明を行わなければなりません。

 

私の勤務するデイサービスは対象者が90名さんほど居られます。

 

説明し同意を得ることは、多大な時間と労力を費やします。

 

しかし、どのスタッフも前向きに取り組んでくれています。

上乗せの金額はどれくらい?

 

これも、前回のブログで詳しく書いていますが、

 

デイサービスの規模やサービス提供時間により異なります。

 

ちなみに私の施設では、1名あたり平均2000単位くらいの上乗せに

 

なると予想しています。(利用者さんの負担は、200単位程度)

 

利用者さんが80名として、合計額は計算できます。(あえて書きません・・・)

 

3月4月に落ち込んだ分の補填とまではならない金額ですが、

 

アルコール消毒液の代金に充てるには妥当かもしれません。

今回の件を通じて、感じたこと

 

 

今回の「介護報酬の上乗せ」について、いろんな事を感じました。

 

このコロナウイルスで世の中が混乱している時に、

 

利用者さんへ更なる負担を強いていいのか?

 

しかし、こんな時だからこそ福祉は必要です。

 

僕も色々と思うことはありまが、今回の上乗せには賛成です。

 

デイサービスによっては、売り上げが7割減少したところも

 

あると聞いています。

 

もし、事業所が無くなれば悲しむ利用者さんがいます。

 

ご家族さんの生活にも大きな影響を与えるでしょう。

 

ご利用者さんには、一部負担を頂きますが計上するべきだと

 

思っています。

 

それは、事業所を守るためです。

 

事業所が無ければ、利用者さんやスタッフを守ることも出来ません。

まとめ

 

 

介護報酬の上乗せは、利用者さんの負担が発生します。

 

そのため、利用者さんやケアマネージャーさんへの説明が必要です。

 

特に、限度額いっぱいの方や生活に余裕がない方への配慮も必要です。

 

また、後のトラブルにならないように同意書をもらうことも必要です。

 

今回の「介護報酬上乗せ」は、事業所の利益になります。

 

しかし、それは利用者さんの負担が発生することを意味しています。

 

それゆえ、「諸刃の剣」とも呼べる措置です。

 

私たちに出来ることは、

 

利用者さんのご協力に感謝し、コロナ対策は当然ながら「より質の高いケア」を提供する

 

ことだけだと思います。

 

一日も早いコロナウイルスの終息を、心より願っています。

 

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。