介護業界の闇?訪問介護は政府に見放された?~それでもヘルパーが業界最強である理由~

訪問ヘルパー
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訪問介護は、見放された?

 

 

ぽんてん
ぽんてん

2021年4月の介護報酬改定の概要が分かってきました。

全体が0.7%増と非常に厳しい状況です。

そんな中でも、とりわけ訪問介護が冷遇されていると言われています。

今回は、訪問介護に注目したいと思います。

  

みなさん、こんにちは。

 

デイサービスで管理者をしている「ぽんてん」と申します。

 

2021年4月の介護報酬改定まであと少し。

 

情報も出そろってきました。

 

そんな中、訪問介護への冷遇が話題になっています。

 

淑徳大学総合福祉学部の結城康弘教授は、

 

「訪問介護は見放されたのではないか?」

 

と、警鐘を鳴らしておられます。

 

 

 

 

ぽんてん
ぽんてん

筆者の施設にも訪問介護がありますが、スタッフは精鋭ぞろいです。

「訪問介護に未来はある」と信じています。

今回の介護報酬改定が、訪問介護に与える影響について見ていきしょう!

 

それでは、今回のポイントです。

  • 空前の人手不足に対して対策なし
  • 厚労省は、声の大きい事業者団体を優先(訪問介護は、有力な事業団体を持たない)
  • 訪問介護は人材獲得競争に敗北する
  • 地域包括ケアシステムは絵空事に
  • それでも、在宅介護を支えるのは訪問介護

2021年介護報酬改定と訪問介護

 

 

2021年4月からの訪問介護報酬は、次の通りです。

 

【現行→改定後】
身体介護中心型
 ・20分未満           166単位 → 167単位
 ・20分以上30分未満       249単位 → 250単位
 ・30分以上1時間未満        395単位 → 396単位
 ・1時間以上1時間30分未満    577単位 → 579単位
 ・以降30分を増すごとに算定 83単位 → 84単位
 ・生活援助加算                       66単位 → 67単位

生活援助中心型
 ・20分以上45分未満               182単位 → 183単位
 ・45分以上                              224単位 → 225単位

通院等乗降介助
                                                    98単位 → 99単位

  

ぽんてん
ぽんてん

キレイに1単位ずつ増加になっています。

訪問介護が「順風満帆」ならば、これで良いのですが…。

次章では、訪問介護が見放されたと感じる理由について見ていきます!

訪問介護が見放されたと感じる理由

ぽんてん
ぽんてん

今回の介護報酬改定で、訪問介護は「ほぼ1単位ずつ増加」です。

訪問介護管理者の「ヘルパー柱」さんに、意見を聞いてみましょう!

ヘルパー「柱」
ヘルパー「柱」

こんにちは!

今日は、よろしくお願いいたします。

ぽんてん
ぽんてん

こちらこそ、よろしくお願いいたします。

訪問介護の「ほぼ1単位ずつ増加」について、どう思われますか?

  

ヘルパー「柱」
ヘルパー「柱」

「マイナス改定でないだけ良かった」と言えばそれまでですが・・・。

期待していたものとは全く違いました・・・。

 

ぽんてん
ぽんてん

「ヘルパー有効求人倍率15倍」という空前の人手不足に対して、対策がなされていないと?

ヘルパー「柱」
ヘルパー「柱」

はい。

特に土日のスタッフ不足が厳しくて・・・。

「土日加算」の導入も検討されていたのに。

 

ぽんてん
ぽんてん

「シフトの穴埋め」は常勤が行います。

常勤は、土日出勤が当たり前のようになっていますよね。

厚生労働省は、「土日加算」を検討していながら導入できなかった

 

ヘルパー「柱」
ヘルパー「柱」

そうですね。

政府は、決定的な対策を取っていません。

「上手くいっている」なら、現状維持でいいですがね。

今回の改定は、あまりにも無策です。

 

訪問ヘルパーの人手不足において、決定的な対策は取られませんでした。

 

一体どんなことが起こっていたのでしょうか?

 

次章で見ていきます!

訪問介護が、報酬獲得競争に勝てない理由

 

 

淑徳大学総合福祉学部の結城康弘教授は、以下のようにお話されています。

 

  • 訪問介護は、有力な事業者団体を持っていない。
  • プラス0.7%の小さなパイを、どの団体も自身へ持ち去ろうとする
  • 厚労省は、大きな声を持つ団体の意見に引っ張られた

筆者は、これまで事業者団体の強弱までは知りませんでした。

 

大変勉強になります。

 

ここからは、筆者の意見です。

 

「大きな声を持つ事業者団体」が悪いわけではありません。

 

問題は、全体的なバランスを見切れなかった政府にあります。

 

 

ぽんてん
ぽんてん

コロナ禍で、プラス改定を実現してくれた政府には感謝しています。

有力団体も、大きな役割を担ってくれたのでしょう。

しかし、ヘルパー不足対策が無いのは残念です。

 

  

それでは、これから訪問介護はどうなっていくのでしょうか?

 

次章で見ていきます!

今後の訪問介護は?

人材獲得がますます困難に

 

 

 

ぽんてん
ぽんてん

4月の介護報酬改定で、援護を受けられないヘルパー部は今後どうなっていくのでしょうか?

ヘルパー「柱」
ヘルパー「柱」

「ヘルパーをやりたい!」という人は、増えないでしょうね。

報酬も上がりませんし・・・。

ぽんてん
ぽんてん

コロナ禍で、施設は発熱に対するガードが厳しくなっています。

デイやショートに行けない発熱者が利用するのは、ヘルパーです。

ヘルパー「柱」
ヘルパー「柱」

ヘルパーは、常に「1対1」の戦いです。

そこに厳しさや喜びがあるのですが、最近は理解されにくくなっています

年々、施設人気が高くなっている様に感じますね。

 

ぽんてん
ぽんてん

ますますヘルパー離れが加速しそうですね・・・。

あなたも、ヘルパーを辞めたいですか?

ヘルパー「柱」
ヘルパー「柱」

在宅介護の基本は、ヘルパーだと信じています。

私は、この仕事に誇りを持っています。

「1対1」だからこそ得られる喜びは、他には代えられません。

  

ぽんてん
ぽんてん

さすがは、ヘルパー「柱」さん!

その言葉が聞けて嬉しいです!

 

在宅介護を支えているのは、間違いなく訪問介護です。

 

訪問介護に光を当てず、地域包括ケアシステムは実現できるのでしょうか?

 

次章で見ていきます!

地域包括ケアシステムは夢物語

政府が理想とする「地域包括ケアシステム」とはどんなものでしょうか?

 

地域包括ケアシステムとは、団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、高齢者が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、「住まい」「医療」「介護」「予防」「生活支援」が切れ目なく一体的に提供される体制のことです。

 

  

 

 

「高齢者が住み慣れた地域で自分らしい暮らし」を実現するには、訪問ヘルパーが「柱」になるのは明らかです。

 

訪問ヘルパーが弱体化すれば、地域包括ケアシステムは夢物語となります。

今後の訪問介護経営について

 

 

筆者の法人にも、訪問介護があります。

 

人材不足については他部署からの異動を募るなどして、何とかなると思っています。

 

厳しい状況にあるのは、訪問介護単独の事業所です。

 

訪問介護は、施設に比べて設備費などが少額で済むため利益率には優れています。

 

しかし、問題は人材です。

 

人材獲得競争に勝つための報酬アップはありません

 

利用者からのニーズはあっても、ヘルパーがいない・・・。

 

募集しても、他の産業や事業所に取られてしまう・・・。

 

政府から「見放された」訪問介護の状況は、ますます悪化するでしょう。

まとめ

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

今回は、2021年介護報酬改定と訪問介護について見てきました。

 

それでは、今日のおさらいです。

  • 空前の人手不足に対して手段なし
  • 厚労省は、声の大きい事業者団体を優先(訪問介護は、有力な事業団体を持たない)
  • 訪問介護は人材獲得競争に敗北する
  • 地域包括ケアシステムは絵空事に
  • それでも、在宅介護を支えるのは訪問介護

コロナ禍において、0.7%のプラス改定を実現した政府には感謝します。

 

しかし、最もピンチに置かれている訪問介護を「見放した感」が強く残ります。

 

事業者団体の力関係もあったのかもしれません。

 

事情はあるにせよ、政府は決定的な対策を取るべきでした。

 

これからますます、訪問介護の環境は悪化するでしょう。

 

一方で、

 

「ヘルパーこそ介護最強の職種」

 

であることは変わりません。

 

 

厳しいながらも、最前線で在宅介護を支えていただきたいと思います。

筆者も、数年前までは訪問ヘルパーとして入浴介助に行っていました。

 

訪問介護がピンチの時には、いつでもこの身を投げ出す所存です。

 

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。