はじめに
2021年4月、3年に1度の介護報酬改定が行われます。
現在、通所介護について協議が行われています。
今回の介護報酬改定では、以下の点について検討されています。
- 通所介護における看護師の配置基準緩和
- 「生活機能向上連携加算」PT職等との連携方法の見直し
- 「ADL維持等加算」単位数増加と手続きの簡素化
今回ポイントになるのは、オンラインを使用した「ICT連携」。
看護師やPT(理学療法士)等との連携において「ICT連携」が認められるかどうかが焦点となりそうです。
それでは、詳しく見て行きたいと思います。
2021年介護報酬改定の協議内容
看護師の人員配置の緩和
現在、通所介護では看護師の配置を義務化しています。
しかし、事業所の中には「看護師を確保するのが困難」との声も上がっています。
訪問看護ステーションなどど連携している事業所もあります。
そこで、ポイントになるのが「ICT連携」です。
「看護師とオンラインやり取りを行う」という、配置を認めるかどうか・・・。
デイサービスでの看護師の役割と言えば、多岐にわたります。
利用者の健康や服薬の管理や、褥瘡などの処置、浣腸・摘便など・・・。
どこまでオンラインでの連携が認められるのか?
もし認められれば、「人手不足」対策への大きな足掛かりになるでしょう。
「生活機能向上連携加算」の見直し
「生活機能向上連携加算」は、月200単位の加算を計上することができます。
しかし、通所介護事業所の取得率はわずか3.9%。
ほとんど活用されていないと言ってもいいでしょう。
活用されない理由は、病院のPT、OT、STに事業所まで来てもらい、共同でアセスメントや計画を策定しなければならないということです。
多忙である故に、事業所で会議を行うのはハードルが高いと言えます。
ここで注目されているのが「ICT連携」です。
多忙である事業所がオンラインでPTやOTと連携会議を行うというものです。
これが認められれば、「生活機能向上連携加算」を活用したいと思う事業所も増えてくるのではないでしょうか。
月200単位は魅力です。
ちなみに、コロナウイルス対応を評価する「介護報酬上乗せ」と同程度の収入を得ることができます。
「介護報酬上乗せ」は、利用者負担もあり非難を受けることも多く、活用しにくいとの声が上がっています。
介護報酬上乗せについては、過去に取り上げています。

事業所からすれば、「生活機能向上連携加算」は是非活用したいところです。
「ADL等維持加算」の見直し
こちらの制度も、全くと言ってよいほど活用されていません。
この「ADL等維持加算」を活用している事業所はわずかに0.2%。
ほとんど活用されない理由は2つです。
- 報酬が月6単位
- その割に手間が掛かりすぎる
事業所は、報酬の引き上げと制度の簡略化を求めています。
活用率0.2%ってどうなんでしょう・・・。
厚労省には、事業所の多忙さを考慮に入れ、利用者にも有益な加算制度を創設して頂きたいものです。
まとめ
2021年4月、3年に1度の介護報酬改定が行われます。
今回の改定では、通所介護に追い風が吹くのではと言われています。
内容は、以下の3つです。
- 通所介護における看護師の配置基準
- 「生活機能向上連携加算」PT職等との連携方法の見直し
- 「ADL維持等加算」単位数増加と手続きの簡素化
ポイントになるのは、コロナ禍で見直されたオンラインを活用する「ICT連携」。
これまでは事業所での会議が義務付けられていましたが、オンラインでの連携が認められるかどうかが注目されます。
それに加え、これまでほとんど活用されていなかった「生活機能向上連携加算」「ADL維持等加算」の見直し。
コロナウイルス対応による「介護報酬上乗せ」が非難を受けている今、デイサービスに追い風となる制度を創設できるか注目していきたいところです。
確実にコロナウイルス第2波が迫る中、デイサービスが少しでも安定した経営を行えるような改定を望みます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。