こんにちは!現役ケアマネジャーとして日々奮闘している朝水 裕一と申します。
「ケアマネジャーって、具体的にどんな仕事をしているの?」「なんだか大変そうだけど、やりがいってあるのかな?」
現場で頑張っている介護職の仲間、これから介護職を目指す方、そしてご家族の介護に関わっている方々へ。今回は、ケアマネジャーという仕事のリアルな一日をご紹介したいと思います。
僕自身の経験を通して、この仕事の魅力や大変さ、そして大切にしている想いをお伝えできれば嬉しいです。
ケアマネジャーの仕事って、どんなことをしているの?

ケアマネジャーの主な役割と業務内容
ケアマネジャーの主な役割は、自宅で生活する高齢者の方々が、その人らしい生活を続けられるようにサポートすることです。
まず、ご本人やご家族から、介護に関する悩みや困りごとを丁寧にお聞きすることから始まります。時には、ご家庭の事情や経済的な状況など、かなり深いお話にまで踏み込むこともあるため、信頼関係を築くことが何よりも大切です。
そして、お話を伺った上で、デイサービスや訪問ヘルパー、福祉用具レンタルなど、どのような介護サービスが必要かを見極め、その方に合ったサービス利用計画書(ケアプラン)を作成します。
作成したケアプランに基づき、実際にサービスを提供する事業者さんと連携を取り、スムーズなサービス導入をサポートするのも重要な役割です。
いわば、利用者さんと介護サービスの「橋渡し役」として、その人らしい生活を支えています。
訪問・モニタリング・書類作成…実は多忙!
「ケアマネさんって、事務所にいることが多いし、もしかして暇なのかな?」なんて思われることも…。 実は僕も、デイサービスで働いていた頃はそう思っていました(笑)
でも、現実は結構違います!
- 定期的な訪問(モニタリング): 担当している利用者さん全員のお宅を、最低でも月に1回は訪問し、生活状況やサービスの利用状況を確認します。(僕の場合、現在約40名の担当者がいるので、これだけでも結構なボリュームです!)
- 書類作成: ケアプランはもちろん、モニタリング報告書、給付管理(介護保険請求に関する書類)など、作成する書類は山積みです。デスクワークの時間もかなり長いです。
- 関係機関との連携: 入院や退院があれば病院でのカンファレンス(関係者会議)に参加したり、介護サービスの内容が大きく変わるときには、各所との調整に奔走したりします。
毎日、訪問や会議、書類作成に追われる、というのが正直なところです。デスクにいる時間が長いので、デイサービスの送迎に借り出されることもありますが(笑)
現場経験が活きる“調整役”としての一面も
僕はケアマネになる前、デイサービスや認知症対応型のデイサービス、グループホームで管理者として働いていました。その経験は、今の仕事にすごく活きていると感じます。
多くの担当者会議に参加し、たくさんのケアマネジャーさんの仕事ぶりを見てきました。「あのケアマネさんの、あの対応は良かったな」「この場面では、こういう働きかけが効果的だったな」といった経験が、頭の中にストックされています。
それを今の現場で、「この利用者さんには、あの時のあの関わり方が合うかも」「このサービス事業者さんとは、こんな風に連携しよう」と、状況に合わせて引き出しながら対応しています。まるで、いろんな選手の能力をコピーする『ブルーロック』の玲王みたいに、カメレオン的に立ち回っている感じです(笑)。…ちょっと言い過ぎですかね?
僕のある一日を追ってみます(タイムスケジュール)

では、僕のある一日の流れを、ざっくりとご紹介しますね。
【8:30】出勤・朝の準備
事務所に着いたら、まずはメールチェック。他の事業所から届いた書類にも目を通します。同じ事務所のケアマネ仲間とは、その日の互いの動きや気になる情報を軽く共有。「〇〇さん、昨日転んじゃったみたいで…」「△△さんの件で、今日病院と連絡取るね」といった感じです。
【9:30】午前:利用者宅を訪問(1〜2件)
午前中は、利用者さんのお宅へ訪問することが多いです。「変わりないですか?」「サービスの使い心地はどうですか?」など、お話を伺いながら、生活の様子を確認します。訪問がない日は、事務所で溜まっている事務作業を進めます。
【12:00】昼休み:移動中にささっとおにぎり🍙
訪問が立て込んでいる日は、移動中の車内でおにぎりを頬張ることも。たまにはコンビニで買ったり、外のお店でランチしたりするのも、ささやかな楽しみです。
【13:00】午後:モニタリング・担当者会議・報告書の作成
午後は、担当者会議を開催したり、午前中に訪問した方のモニタリング報告書を作成したりします。
【16:30】夕方:事務所に戻って書類整理と翌日の準備
夕方は事務所に戻り、今日一日の書類を整理したり、翌日の訪問や会議の準備をしたりします。僕の事業所は比較的残業が少なく、時間通りに終われることが多いので、だいたい17:00には事務所を出ます。
【17:00】退勤
「お疲れ様でしたー!」
…と、こんな感じです。もちろん、日によって緊急対応が入ったり、会議が長引いたりすることもありますが、大まかな流れは理解していただけたでしょうか?
実際に働いてみて思う、ケアマネのやりがいとしんどさ

利用者さんや家族との関わりの中で得られる喜び
ケアマネジャーの仕事の一番の醍醐味は、利用者さんやご家族と、じっくり、深く関われることだと僕は思っています。
デイサービスの管理者だった頃は、どうしてもスタッフとの関わりが中心になりがちでした。でも今は、利用者さん一人ひとりと向き合い、その方の人生や想いに触れる時間を持てます。「あなたに相談してよかった」「おかげで安心して生活できるよ」そんな言葉をいただいた時、心から「この仕事をしていてよかった」と感じます。これが、僕にとって一番の喜びです。
一方で、時間に追われる毎日。書類と会議に追いつかないことも…
もちろん、良いことばかりではありません。利用者さんの体調が急変したり、急な入院や退院の調整が入ったりすると、一気に業務が立て込みます。新規で支援が始まる際も、たくさんの書類を作成する必要があり、正直「もう、手が回らない!」と感じることもあります。
ただ、誤解しないでほしいのは、常に目が回るような忙しさ、というわけではないということです。忙しい時期と、比較的落ち着いている時期の波がある感じですね。それでも、時間やタスクに追われる感覚は、常につきまとっているかもしれません。
だからこそ、“感情”も一緒に働いている仕事だと思う
ケアマネジャーは、人と深く関わる仕事です。だからこそ、自分の「感情」も大切にしなければならない、と感じています。
時には、利用者さんやご家族にとって耳の痛いことであっても、「それはご本人のためにはなりません」「このままでは、ご家族が倒れてしまいますよ」と、はっきり伝えなければならない場面もあります。
もちろん、言葉選びには細心の注意を払いますが、自分が関わっている以上、少しでも良い方向へ向かってほしいという想いが強いんです。ついつい、熱くなってしまうこともあります。
他のサービス事業者さんや病院関係者の方と、利用者さんのことを想うあまり、意見がぶつかってしまうことも、正直あります。でも、それはお互いに利用者さんのことを真剣に考えているからこそ。後できちんと話をして、お互いの考えを理解し合えれば、より強い信頼関係が築けると思っています。
まとめ:ケアマネとして、今日も現場にいます

「もっと楽にしてあげたい」それが原動力
僕がこの仕事を続ける原動力は、とてもシンプルです。
関わっている利用者さんやご家族の、身体的な負担や精神的なつらさを、少しでも軽くしてあげたい。 その一心です。
介護は、本当に大変です。終わりが見えないと感じることもあります。だからこそ、僕たちケアマネジャーが、少しでも支えになり、安心して前を向けるようなサポートをしたいと思っています。
「この仕事、大変だけどやっぱり好きです」
ケアマネジャーの仕事は、人と人との関わりが全てです。相性もありますし、さまざまな事業所の都合で板挟みになることもあります。調整がうまくいかず、「本当に自分にできるんだろうか…」とネガティブになってしまう日も、正直あります。
でも、利用者さんやご家族から「ありがとう」と感謝の言葉をいただいたり、時にはぶつかり合いながらも、最後は「仲間」として一緒に利用者さんを支える他の専門職の方々がいたり…。そういう経験があるから、また前を向けるんだと思います。
給与面で処遇改善手当がつかないといった課題もありますが、そういう点を差し引いても、僕はケアマネジャーという仕事が、大変だけど、やっぱり好きです。
この記事を通して、ケアマネジャーの仕事のリアルが少しでも伝わったら嬉しいです。
介護の世界に興味のある方、現場で頑張る仲間たち、そして介護に関わるすべての方々へ。
僕も、ケアマネジャーとして、今日も現場で頑張ります!