「今日、親の食事どうしよう…」「もうちょっと、ラクしてもいいのかな…?」
ご家族への介護で、そんなふうに悩んでいませんか?
食事づくりは、ご家族の負担が大きくなりがちです。手作りにこだわりすぎて、気づけば自分の心と体がヘトヘトに…という方もおられるかもしれません。
この記事では「親の食事づくりがしんどい」と感じたときの向き合い方や、宅配食・市販のお弁当などの選択肢について、現役ケアマネジャーが分かりやすく解説します。
この記事を読めば、食事に対するイメージが変わり、負担を軽くするための方法を理解できますので、ぜひ最後までお読みください。
毎日の食事づくり、しんどくなっていませんか?
介護の中でも、毎日の「食事づくり」はとても大きな負担です。ここでは、介護における「食事づくり」についてのポイントを紹介します。
「食事の問題」がご家族の大きな負担に
介護の現場では「入浴」や「排せつ」などが大きく取り上げられる傾向にあります。しかし、食事の負担も決して軽くはありません。
献立を考え、スーパーへ買い物に行き、調理して片づけて…という流れを、毎日続けるのは大きな負担です。「しっかり食べてほしい」という気持ちがあるほど、手を抜けず、プレッシャーにもなります。
さらに、食が細くなったご家族の「今日は食べたくない」に振り回されると、心身共に疲れてしまいます。
「ちゃんと作らなきゃ」は思い込みかも
「できるだけ手作りで」「栄養バランスを考えてしっかり食べさせたい」
そう思うのは、家族としてごく自然な気持ちです。しかし、その思いが強くなるほど、毎日の食事づくりがプレッシャーになってしまうこともあります。
そんなときは、宅配のお弁当や冷凍食などを取り入れるのも、ひとつの選択肢です。栄養面に配慮されたサービスも多く、調理の負担を減らすことで、心身のゆとりも生まれます。
「手を抜く」のではなく、長く介護を続けるための方法を選ぶことも大切です。
無理しない工夫こそ、介護を長く続けるコツ
介護は「マラソン」のようなものです。持続可能な形でやっていく必要があります。「今日は疲れたからお弁当にしよう」「冷凍ストックを使おう」そんな選択肢があるからこそ、一日を乗り越えられるのです。
周囲の手を借りたり、サービスを活用したりするのも、手作り料理と変わらない「家族の愛情」と言えます。罪悪感を覚える必要なんて、まったくありません。
頼りになる!宅配食や市販弁当という選択肢

ここでは、宅配食や市販弁当について詳しく解説します。
宅配食・冷凍弁当・介護食の違いを知ろう
食事支援サービスにはさまざまな種類があります。代表的なものは次の3つです。
- 宅配食:週数回〜毎日、自宅まで食事を届けてくれるサービスです。配達時に声かけや安否確認をしてくれる業者もあり、ひとり暮らしの高齢者にも安心です。
- 冷凍弁当:冷凍でまとめて届き、電子レンジで温めるだけで食べられます。数ヶ月間、保存が効くものも多く、忙しい時や非常時の備えにも最適です。
- 介護食:噛む力や飲み込む力が弱くなった方向けに、やわらかく加工された食事です。介護食に対応している宅配業者もあり、見た目や味も工夫されています。
それぞれに特徴がありますので、生活スタイルや必要に応じて使い分けると良いでしょう。
「買ってきたごはん」が助けてくれる場面
たとえばこんなとき、宅配食や市販のお弁当がとても役立ちます。
- 自分の残業や体調不良で、料理できないないとき
- 急な用事で、買い物・調理の時間が取れないとき
- いつもとは違う食事で気分を変えたいとき
実は、宅配弁当にはハンバーグやグラタンなどの洋風メニューもそろっているので、ちょっとしたアクセントを加えられます。
忙しいときの「助け」としてはもちろん、気分転換のひと工夫として取り入れるのもお勧めです。
よくある誤解「手抜き」ではなく「工夫」
「市販の弁当を使うなんて、手抜きだろう…」と思われる方もいるかもしれません。しかし、実際には、プロの栄養士が監修している食事も多く、栄養バランスなども考えられています。
むしろ、疲れた状態で無理に作るよりも、体に優しい食事を提供できることもあります。介護の現場では、「がんばりすぎない」「サービスに頼る」ことが、介護を長く続けるために欠かせません。
どう選ぶ?宅配食・お弁当を選ぶポイント

ここでは、宅配食やお弁当を選ぶ際のポイントについて紹介します。
噛む力・飲み込む力に合わせる
宅配食には、普通食のほかに「やわらか食」や「ムース食」など、噛む力や飲み込む力に合わせた種類があります。
- 歯が弱くなった方には「やわらか食」
- 嚥下(えんげ:飲み込みのこと)機能に不安がある方には「ムース食」
以上のように、食べやすさに配慮されたお弁当を選べます。ご本人が、安心して食べられることが大切です。
栄養バランスや価格帯の違い
宅配食は、管理栄養士が監修しているものが多く、栄養バランスに優れています。糖質・塩分・たんぱく質の量などが調整されている「制限食」もあり、生活習慣病の予防や体調管理にも役立ちます。
価格帯は1食あたりおおよそ、500〜800円前後のものが主流です。また、高級志向やボリューム重視のものだと1,000円を超えるものもあります。
ご本人の健康状態や家計に合わせて、無理のない価格帯のものを選ぶのがポイントです。
最初は単発での注文からでもOK
「宅配食って便利そうだけど、口に合うかな?」そんな不安がある方は、まずは単発での注文から始めてみましょう。
最近では、定期購入にこだわらず、数回分だけを気軽に注文できるサービスも増えています。味や使い勝手を確認してから、必要に応じて継続利用を検討する形でもまったく問題ありません。
無理なく取り入れられることが、長く続けるための第一歩です。気になったタイミングで、気軽に試してみてください。
まとめ:「がんばりすぎない食事づくり」で、介護を少し楽に

毎日の食事づくりは、介護するご家族にとって想像以上に負担が大きいものです。「手作りで頑張らなきゃ」「栄養バランスもしっかりと…」と気を張りすぎて、心も体も疲れてしまう方は少なくありません。
しかし、今では、宅配弁当や市販のおかずなど、頼れる選択肢がたくさんあります。「買ってきた食事」も、立派な支援です。必要な時にうまく取り入れて、自分を少しでも楽にしてあげてください。
介護は、無理なく続けられることが大切です。この記事をきっかけに、「ちょうどいい食事」の形を見つけていただけると嬉しいです。
なお、「やわらかい食事を宅配で届けてほしい」「栄養バランスも気になる」という方には、こちらのような高齢者向けの冷凍宅配弁当サービスもあります。
公式ホームページへは、こちらから
▶ベネッセのおうちごはん ご高齢者向け弁当