認知症対応型通所介護は、認知症の方を対象にしたデイサービスです。
しかし特徴や料金など、さまざまな疑問をお持ちなのではないでしょうか。
どのようにデイサービスを選べばよいのでしょうか。
本記事では、認知症デイサービスについて以下の点を中心にご紹介します。
・認知症デイサービスの特徴や料金について
・認知症デイサービスを選ぶポイントについて
認知症デイサービスについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
認知症対応型通所介護(認知症デイサービス)とは?
認知症対応型通所介護とは、認知症の高齢者を対象としたデイサービスのことで「認知症デイサービス」とも呼ばれています。
提供されるサービス内容は通常のデイサービスと同様です。
しかし利用者の最大定員は12名と少数であり、きめ細やかなサポートを受けられます。
中には、個別対応でのレクリエーションやリハビリテーションを実施してくれる施設もあるようです。
通常のデイサービスとどう違うの?
認知症デイサービスは、通常のデイサービスとどのような点が違うのでしょうか?
どのような違いがあるかを紹介しますので参考にしてみてください。
スタッフの人員体制が手厚い
認知症デイサービスの利用者定員は12名です。
通常のデイサービスよりも人員体制が手厚いので、きめ細やかなケアを提供できます。
利用者3名に対してスタッフ1名が配置されているので、急な対応も可能です。またレクリエーションやイベントも賑やかになりすぎないので、各自のペースで楽しめます。
認知症に特化したケアを受けられる
認知症デイサービスは、医師から認知症の診断を受けた方が利用しています。
スタッフは認知症対応の経験が豊かであり、利用者が穏やかに過ごせるように工夫しながらケアを提供しているのです。
また事業所の管理者は、都道府県で実施している「認知症対応型サービス事業管理者研修」を修了しています。認知症に対しての高度な専門的知識を持っているので、スタッフへ適切な指導やアドバイスを提供することが期待されます。
地域密着型サービスである
地域密着型サービスとは、利用者が住み慣れた地域で生活を続けられることを目的とした仕組みです。
市町村が指導監督を行っており、地域の実情に応じた体制で介護サービスを提供できます。
よって地域密着型サービスを利用できるのは、事業所がある市町村の住民に限られます。
認知症対応型通所介護を利用するメリット・デメリット
ここでは認知症デイサービスを利用する際のメリット・デメリットについて紹介します。
どのような特徴があるのか参考にしてみてください。
メリット│ 職員や利用者同士になじみの関係ができる
認知症デイサービスの定員は12名です。
スタッフも比較的少人数で構成されるため、職員や利用者間になじみの関係ができます。
認知症の方には、環境の変化や大人数でのレクリエーションなどを苦手とする方もおられます。認知症デイサービスなら、「なじみ」の関係を構築し穏やかに過ごすことが可能です。
メリット│個別対応も可能
認知症デイサービスはスタッフ配置が手厚いため、個別対応も可能です。
認知症の方は、全体でのレクリエーションや運動を苦手とするケースも多くあります。
スタッフが利用者の横について声掛けなどをすることで、レクリエーションなどに落ち着いて参加できた事例も多くあるのです。また全体でのレクリエーションに参加できない場合には、塗り絵や手芸など個別に活動することも可能です。
メリット│家族とスタッフも信頼関係を築きやすい
認知症デイサービスは、家族とスタッフ間の信頼関係も築きやすい傾向にあります。送迎や電話対応するスタッフが比較的固定されているため、顔なじみの関係を築きやすいです。
本人やご家族がどのような悩みを抱えているかをスタッフが理解しているので、相談などもしやすいでしょう。認知症デイサービスは、家族とスタッフ間の連携もとりやすい特徴があります。
デメリット│大人数が好みの人には不向きのことも
認知症デイサービスは定員が12名であり、規模としては小さいです。
大人数で賑やかな雰囲気を好む利用者には、少し物足りないかもしれません。
その方に合ったデイサービスを見つけるために、様々な規模のデイサービスを見学されるとよいでしょう。
利用条件と対象者
認知症デイサービスを利用する条件・対象者は以下の通りです。
- 要支援・要介護の認定を受けている
- 事業所と同じ市町村に居住している
- 主治医に認知症の診断をうけている
以上、すべてを満たしている必要があります。ただし市町村によっては、他の地域に住んでいる人でも利用できる場合もあるようです。
詳しくは、ケアマネジャーや事業所へ問い合わせてください。
認知症対応型通所介護の自己負担額の目安
認知症デイサービスの費用は、要介護度や利用時間によって異なります。
また、認知症デイサービスの費用は、事業所のタイプによって
- 単独型・・・単独でデイサービスを運営
- 併設型・・・他の施設に併設
- 共用型・・・他の施設の一部を使用している
の4種類によっても異なります。
利用料
・利用時間5~6時間の場合
介護度 | 単独型 | 併設型 | 共用型 |
要支援1 | 740円 | 666円 | 412円 |
要支援2 | 826円 | 742円 | 435円 |
要介護1 | 856円 | 769円 | 444円 |
要介護2 | 948円 | 852円 | 459円 |
要介護3 | 1,038円 | 934円 | 476円 |
要介護4 | 1,130円 | 1,014円 | 492円 |
要介護5 | 1,223円 | 1,097円 | 509円 |
・利用時間6~7時間の場合
介護度 | 単独型 | 併設型 | 共用型 |
要支援1 | 759円 | 683円 | 423円 |
要支援2 | 849円 | 761円 | 446円 |
要介護1 | 878円 | 788円 | 456円 |
要介護2 | 972円 | 874円 | 471円 |
要介護3 | 1,064円 | 958円 | 488円 |
要介護4 | 1,159円 | 1,040円 | 505円 |
要介護5 | 1,254円 | 1,125円 | 521円 |
サービス加算
以上の料金に加えて、デイサービスで特別な介助やプログラムを実施する場合には、サービス加算が発生します。
サービス加算 | 単位数 |
入浴介助加算 | 40~55単位/日 |
個別機能訓練加算 | 56~85単位/日 |
栄養改善加算 | 200単位/回 |
入浴介助加算は、デイサービスで入浴介助や見守りを受けた場合に発生します。
個別機能訓練加算は、機能訓練指導員からリハビリを受ける場合にかかる加算です。
栄養改善加算は、管理栄養士による栄養相談や管理などのサービスを行った場合に加算されます。
認知症対応型通所介護の事業所を選ぶときのポイント
認知症デイサービスを選ぶ際には、十分な情報収集と比較が必要です。
具体的に以下で見ていきましょう。
施設を見学してスタッフや雰囲気を知る
デイサービスを選ぶ際には、実際に施設を見学されることをお勧めします。
最近では施設のホームページなどで設備などを知ることは可能です。
しかし実際の雰囲気は、見学してみないと分かりません。
チェックしたい内容としては、以下のことが挙げられます。
- 利用者の表情はどうか
- 明るい雰囲気かどうか
- 清掃が行き届いているか
- スタッフは生き生きと仕事しているか
施設によって、雰囲気は様々です。
ゆったりした施設もあれば、活気のある施設もあるでしょう。
本人に合う雰囲気を持つ施設を探すことが重要です。
ケアマネジャーとよく話し合う
ケアマネジャーは、地域の施設について熟知しています。
希望するデイサービスの特徴を伝え、どの施設がよいかアドバイスしてもらいましょう。
候補となる施設を2~3カ所挙げてもらいます。
日程の調整や手続きは、ケアマネジャーが行ってくれます。同行してもらうことも可能です。
まとめ
ここまで、認知症対応型通所介護についての情報をお伝えしました。
要点を以下にまとめます。
- スタッフの人員体制が手厚く、認知症に特化したケアを受けられる
- なじみの関係を築きやすく、個別対応してもらいやすい
- 少人数なので、にぎやかな雰囲気を好む人には物足りないかもしれない
- 利用前にケアマネジャーと相談の上、見学する
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。