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失敗しないケアマネ変更の方法|費用は無料、伝え方や相談先まで

在宅介護のお悩み

「担当ケアマネジャーに、要望がきちんと伝わっていない気がする」「なんとなく相性が悪い…」

そんな悩みを抱えながら「一度決まったケアマネさんは簡単に変えられないのでは?」と我慢していませんか?

 

朝水ケアマネ
朝水ケアマネ

結論からお伝えすると、ケアマネの変更は可能です。費用もかからず、特別な理由がなくてもできます。それは、ご利用者とご家族に認められた「権利」です。

 

本記事では「ケアマネ変更は特別なことではない」という前提のもと、変更を検討すべき6つのサインや手続きや後悔しないための注意点について解説します。

ひとりで抱え込まず、ご家族にとって最適なサポート体制づくりの第一歩を踏み出しましょう。

  1. ケアマネ変更はいつでも可能|費用は無料、理由は「相性」でもOK
    1. 結論:ケアマネ変更は利用者の権利
    2. 変更にかかる費用は無料
    3. 「相性が悪い」といった理由でも変更できる
  2. これってうちだけ?ケアマネ変更を検討すべき6サイン
    1. サイン1:コミュニケーションに問題がある
    2. サイン2:提案力や専門性に不満がある
    3. サイン3:連絡が遅い・約束を守らない
    4. サイン4:特定のサービスばかり勧めてくる
    5. サイン5:職業倫理や人柄に信頼が置けない
    6. サイン6:事業所の都合で担当者が頻繁に変わる
  3. ケアマネを変更する具体的な手順【2つのパターン】
    1. パターン1:同じ事業所内で担当者だけ変えてもらう
    2. パターン2:事業所ごと新しいケアマネに変更する
    3. どこに相談すればいい?主な相談先一覧
    4. 地域包括支援センター
    5. 市区町村の介護保険担当窓口
    6. 病院の医療ソーシャルワーカー
  4. 後悔しないために!ケアマネ変更の4つの注意点とデメリット
    1. 注意点1:変更理由は冷静に、具体的に伝える
    2. 注意点2:利用中のサービス継続の意向を伝える
    3. デメリット1:新しい担当者と合うとは限らない
    4. デメリット2:情報共有や関係構築に時間がかかる
  5. ケアマネ変更に関するよくある質問Q&A
    1. Q. 変更を伝えたら気まずくなりませんか?
    2. Q. 月の途中でも変更できますか?
    3. Q. 要支援の場合でも変更できますか?
    4. Q. 施設に入居したらケアマネはどうなりますか?
  6. まとめ:ひとりで抱え込まず、まずは相談から始めましょう

ケアマネ変更はいつでも可能|費用は無料、理由は「相性」でもOK

ここでは、ケアマネジャーの変更がいつでも可能であることを解説します。

具体的には、

  1. 変更は利用者の権利
  2. 費用は無料
  3. 「相性が悪い」といった理由でも可能

の3つです。それでは、順番に解説していきます。

結論:ケアマネ変更は利用者の権利

現在のケアマネジャーに少しでも悩みや不満を感じている方へ、お伝えしたいことがあります。それは「ケアマネの変更は、介護サービスを利用する方に認められた正当な権利である」ということです。

この権利は、介護保険法の基本理念である「利用者本位」の考え方に基づいています。介護が必要になっても、尊厳を守り、その人らしく自立した生活をサポートすることが制度の目的です。そのため、ケアプランを作る大切なパートナーであるケアマネを、利用者自身が選ぶ自由も保障されています。

ケアマネには、利用者の立場に立ち、公正かつ誠実に業務を行う義務があります。もし、その姿勢が守られていないと感じるなら、無理に我慢し続ける必要はありません。

 

朝水ケアマネ
朝水ケアマネ

「ケアマネの変更」は決して特別なことではなく、より良いサポート体制を築くための選択肢です。

 

変更にかかる費用は無料

ケアマネの変更を考えるとき、「手続きにお金がかかるのでは?」と心配になるかもしれません。ですが安心してください。ケアマネの変更手続きに、利用者が費用を負担することは一切ありません。

ケアマネが行うケアプランの作成や、サービス事業者との連絡・調整にかかる費用は、全額が介護保険から支払われます。ここで混同しやすいのが、デイサービスや訪問介護などの「介護サービス利用料」です。

こちらは所得に応じて1〜3割の自己負担が必要ですが、ケアマネの変更とは別です。あくまで「ケアプラン作成や調整の専門家に依頼する費用は無料」と理解しておきましょう。

「相性が悪い」といった理由でも変更できる

ケアマネを変更するのに、特別な理由や根拠は必要ありません。「相性が合わない」「相談しにくい」といった理由だけで十分に変更できます。

ケアマネは、ご家庭の事情や心身の状態を共有しながら、介護計画を一緒に立てていく大切なパートナーです。そこに信頼関係が築けないと感じるなら、無理に関係を続けることは、かえって介護生活の質を下げてしまいます。

「お世話になったのに申し訳ない」「気まずくなりたくない」と感じるのは自然なことです。ですが、ケアマネの変更は介護の現場で日常的に行われている対応のひとつ。

遠慮や罪悪感を抱く必要はなく、より良い介護を選ぶための正当な権利として、前向きに捉えてみましょう。

これってうちだけ?ケアマネ変更を検討すべき6サイン

ここでは、ケアマネ変更を考えるべき6つのサインを紹介します。具体的には、

  1. コミュニケーションに問題がある
  2. 提案力や専門性に不満がある
  3. 連絡が遅い・約束を守らない
  4. 特定のサービスばかり勧めてくる
  5. 職業倫理や人柄に信頼が置けない
  6. 事業所の都合で担当者が頻繁に変わる

の6つです。それでは、順番に解説していきます。

サイン1:コミュニケーションに問題がある

利用者や家族の話を途中で遮ったり、真剣に耳を傾けなかったりする。あるいは「それは無理です」と頭ごなしに否定し、代わりの案を一緒に考えようともしない。こうした高圧的・否定的な態度は、変更を検討すべきサインです。

さらに、専門用語ばかりを並べるのも問題です。コミュニケーションが一方通行では、利用者本位のケアプランづくりは望めません。

また、気軽に質問や相談ができないと感じるのも要注意です。コミュニケーションが成り立たない場合は、担当者の変更を前向きに考えるべきでしょう。

サイン2:提案力や専門性に不満がある

ご本人の状態が変化しているのに、いつも同じようなサービスしか提案してこない。そんな場合には、ケアマネの知識や経験が不足している可能性があります。

たとえば、認知症ケアや在宅での看取り、医療機関との連携など、専門的な知識が必要な場面があります。そうした状況で適切な提案がなければ、利用者や家族は「もっと良い選択肢があったかもしれない」という機会を逃してしまうことになります。

介護保険制度ではケアマネに「月1回の自宅訪問」が義務づけられています。ところが、訪問が書類に印鑑をもらうだけの形式的なものになり、生活状況の聞き取りやプラン見直しの相談がなければ、その役割を十分に果たしているとは言えません。

サイン3:連絡が遅い・約束を守らない

要件で電話をしてもなかなかつながらず、折り返しもほとんどない。約束した日時に訪問しない。サービス事業者への申し送りも不十分で、情報が共有されていない。

こうした基本的な業務に問題がある場合、信頼関係は損なわれます。特に、いざというときの対応に不安が残るため、決して軽く考えてはいけません。

 

朝水ケアマネ
朝水ケアマネ

些細なことでも「この人に任せて大丈夫だろうか」という不信感が募っていきます。日々の対応がルーズなら、変更を真剣に検討すべきです。

 

サイン4:特定のサービスばかり勧めてくる

ケアマネが所属している法人のデイサービスや、いつも同じ提携先の訪問介護など、特定のサービスばかりを執拗に勧めてくる場合は注意が必要です。これは「囲い込み」と呼ばれる行為の可能性があります。

ケアマネは、利用者の希望や状況に応じて、地域にある様々なサービスの中から、公正中立な立場で最適な選択肢を提示する義務があります。それにもかかわらず、他の選択肢を見せずに特定のサービス利用を強要するような言動は、利用者の利益よりも事業所側の利益を優先している可能性があります。

サイン5:職業倫理や人柄に信頼が置けない

介護に関する愚痴が多く、他の利用者の個人情報や悪口を安易に口にする。あるいは、ご利用者やご家族に対して態度が横柄で、敬意が感じられない。このような、専門職としての職業倫理や人柄に問題がある場合も、変更を検討すべきです。

ケアマネには、個人情報の秘密を守る「守秘義務」があります。この基本的なルールが守られていないと感じる相手に、デリケートな事情や心身の悩みを安心して相談することはできません。

利用者や家族の気持ちに寄り添う姿勢が見られず、人として信頼できないと感じるのであれば、我慢せずに担当者を代えてもらうべきです。

サイン6:事業所の都合で担当者が頻繁に変わる

担当ケアマネ個人の資質ではなく、所属している事業所の離職率が高いために、短期間で担当者が何度も交代するケースもあります。

担当者が変わるたびに、また一からこれまでの経緯を説明しなければならず、ご家族の負担は大きくなります。また、引き継ぎが不十分であれば、一貫性のあるサポートを受けることも難しいです。

「最悪なケアマネジャー」については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

ケアマネを変更する具体的な手順【2つのパターン】

ケアマネを変更する際、2つのパターンがあります。ひとつは、同じ事業所で変更する場合と、事業所ごと変更する場合です。ここでは、ケアマネを変更する際の手順と、相談先について解説します。

パターン1:同じ事業所内で担当者だけ変えてもらう

現在の事業所の運営方針や他のスタッフの対応に不満はないものの「担当ケアマネとの相性やコミュニケーションに問題がある」場合に最適な方法です。

この場合、担当者本人に変更を伝えるのは心理的にも難しいことが多いでしょう。最も確実なのは、そのケアマネが所属する事業所の「管理者」や上司に連絡し、担当者を代えてほしい旨を相談することです。

この方法のメリットは、手続きが簡単な点です。新たな契約を結び直す必要はなく、利用者の基本情報は事業所がすでに把握しているため、引き継ぎも円滑に進みます。

ただし、事業所内に交代できる他のケアマネがいない場合や、問題の原因が事業所全体にある場合は、この方法では解決しない可能性もあります。

パターン2:事業所ごと新しいケアマネに変更する

事業所の方針に不満がある場合(特定のサービスを強要されるなど)や、担当者変更を試しても改善が見られない場合は、事業所ごと変更する方法を検討します。

このときの鉄則は「①新しい事業所を探して内諾を得てから、②現在の事業所に解約を申し出る」という順番を必ず守ることです。先に解約してしまうと、次の担当者が決まるまでサービスが受けられない空白期間が生じる恐れがあります。

手順は以下の通りです。

  1. 情報収集を行う
  2. 新しい事業所の担当者と面談し、内諾を得る
  3. 現在の事業所に解約を伝える
  4. 新しい事業所と契約する

 

朝水ケアマネ
朝水ケアマネ

契約を結べば、市区町村への届け出や、旧事業所からの情報引き継ぎの手配は、新しいケアマネが代行してくれます。

 

どこに相談すればいい?主な相談先一覧

新しいケアマネを探す際に、ひとりで悩む必要はありません。以下のような公的な相談窓口を積極的に活用しましょう。

地域包括支援センター

 地域の高齢者介護に関する総合相談窓口です。中立的な立場で、地域のケアマネ事業所のリストを提供してくれたり、変更に関する助言をしてくれたりします。どこに相談すればいいか迷ったら、まずここに連絡しましょう。

市区町村の介護保険担当窓口

介護保険を運営している役所の窓口です。公式な手続きについて確認したい場合や、事業者との間で深刻なトラブルがあり、センターに相談しても解決しない場合に頼りになります。

病院の医療ソーシャルワーカー

 ご本人が退院するタイミングでケアマネを探す場合や、医療的なケアの必要性が高い場合に有効な相談先です。病院との連携に詳しいケアマネを紹介してもらえることがあります。

また、厚生労働省が運営する「介護サービス情報公表システム」というウェブサイトを使えば、自宅のパソコンやスマートフォンから各事業所の運営方針や職員体制などを比較検討することも可能です。

後悔しないために!ケアマネ変更の4つの注意点とデメリット

ここでは、ケアマネを変更する際の注意点とデメリットを解説します。

注意点1:変更理由は冷静に、具体的に伝える

ケアマネを変更する際、これまでの不満を感情的に伝えるのではなく「次に何を求めるか」という前向きな要件として整理しておくことが重要です。これは、同じ失敗を繰り返さず、次に良いパートナーを見つけるために不可欠なプロセスです。

例えば、新しいケアマネと面談する前に、家族で「これだけは譲れない条件トップ3」を話し合っておくと良いでしょう。「1. 親の病気(認知症など)に関する実務経験が豊富であること」「2. 緊急時に迅速に連絡が取れること」「3. 家族の介護負担についても親身に相談に乗ってくれること」など、具体的な条件を明確にすることで、次のミスマッチを防げます。

注意点2:利用中のサービス継続の意向を伝える

「ケアマネを代えたら、今利用しているデイサービスやヘルパーも変わってしまうのでは?」と心配される方もいますが、その必要はありません。気に入っているサービスは、原則として継続できます。

なぜなら、ケアマネが所属する事業所との契約と、デイサービスなど個別のサービス事業者との契約は、それぞれ独立しているからです。

ただし、継続したい意思は明確に伝えましょう。新しいケアマネとの面談や契約時に「〇〇デイサービスと△△訪問介護はこれまで通り利用したいです」と希望することが大切です。その意向を踏まえて、新しいケアマネがケアプランを作成してくれます。

デメリット1:新しい担当者と合うとは限らない

正直に言えば、ケアマネを変更しても次の担当者と必ず相性が合うとは限りません。人と人との関係なので、実際に担当してもらわなければ分からない部分はどうしても残ります。

とはいえ、このリスクを最小限に抑える方法があります。それが契約前の「面談」です。可能であれば複数の候補者と会い、じっくり話をすることが大切です。

たとえば、

  • 「ご担当されたケースで、うちと似たような事例はありますか?」
  • 「営業時間外に緊急事態が起きた場合、事業所としての対応体制はどうなっていますか?」

 

朝水ケアマネ
朝水ケアマネ

上記のような質問を準備しておくと、本質を見抜きやすくなり、ミスマッチの可能性を大きく減らせます。

 

デメリット2:情報共有や関係構築に時間がかかる

新しい担当者には、これまでの経緯やご本人の性格、ご家族の状況などを改めて伝える必要があります。信頼関係をゼロから築き直すには時間がかかり、その間は一時的に家族の負担が増える可能性があります。

ただし、ケアマネ同士では、利用者に関する公式な記録(アセスメントシートなど)の「引き継ぎ(申し送り)」が行われるため、すべてを一から説明する必要はありません。

さらにご家族側でも、これまでの経緯や親の生活歴、特に配慮してほしい点などをまとめておくと、新しい担当者の理解がスムーズになり、説明の負担を軽くできます。

ケアマネ変更に関するよくある質問Q&A

ここでは、ケアマネ変更でよくある質問をまとめています。実際に行動される前の参考になれば嬉しいです。

Q. 変更を伝えたら気まずくなりませんか?

A. そのお気持ちはよく分かりますが、心配はいりません。ケアマネの変更は介護業界では珍しいことではなく、日常的な業務の一つとして受け止められています。

プロのケアマネであれば、個人への批判ではなく「利用者がより良いケアを求めた結果の選択」と理解してくれます。ご利用者本位のサービスですから、遠慮や罪悪感を抱く必要はありません。正当な権利の行使だと考えて大丈夫です。

Q. 月の途中でも変更できますか?

A. はい、制度上はいつでも変更可能です。ただし、ケアマネの報酬(居宅介護支援費)は日割りではなく、その月の末日時点で契約している事業所が1か月分を請求する仕組みになっています。

そのため、最もスムーズに移行できるのは、月末に現在の契約を終了し、翌月1日から新しい事業所に切り替えるタイミングです。

Q. 要支援の場合でも変更できますか?

A. 要支援1・2の方のケアプランは、原則としてお住まいの地域包括支援センターが担当します。この点が、自由に事業所を選べる要介護の方との大きな違いです。

 

朝水ケアマネ
朝水ケアマネ

不満がある場合は、まず地域包括支援センターに相談しましょう。必要に応じてセンター内で担当を替えたり、委託先の事業所を変更したりなどの調整が行われます。

 

Q. 施設に入居したらケアマネはどうなりますか?

A. 入居する施設の種類によって異なります。

  • 契約が終了する場合:特別養護老人ホーム(特養)などの介護保険施設に入居すると、居宅ケアマネとの契約は終了します。これらの施設には、入居者のケアプランを作成する「施設ケアマネジャー」が配置されているためです。
  • 契約を継続する場合:サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、住宅型有料老人ホーム、ケアハウスなど、法律上「自宅」と同じ扱いの施設に入居する場合は、外部の居宅ケアマネ契約を継続するのが一般的です。

まとめ:ひとりで抱え込まず、まずは相談から始めましょう

この記事では、ケアマネの変更について、基本的な権利から具体的な手順、注意点までを解説してきました。最後に、大切なポイントをもう一度確認しましょう。

  • ケアマネの変更は費用もかからない利用者の「権利」です。
  • 事業所ごと変更する際は、「新しい担当者の内諾を得てから、現在の担当者に解約を伝える」という順番が大切です。
  • ひとりで悩まず、地域包括支援センターなど、頼りになる公的な相談窓口があります。

 

朝水ケアマネ
朝水ケアマネ

ケアマネとの関係に不満を抱えたまま我慢を続けることは、ご本人・ご家族にとって良い結果につながりません。ケアマネ変更は、穏やかに生活するために必要な行動です。

 

この記事を通して「ケアマネの変更は可能であり、決して特別なことではない」と理解していただけたら幸いです。まずは地域包括支援センターへ電話してみるなど、身近な一歩から始めてみてください。