介護休暇取得が変わる
2021年1月より、介護休暇取得の制度が変わります。
介護休暇は、「家族の介護を行うため」に取得するお休みのことです。
育児・介護休業法に基づき、年5日まで取得が認められます。
要介護の家族が2人以上なら、年10日の取得が可能です。

利用者さんのご家族や施設スタッフから「身内の介護のために会社を休めるの?」と相談を受けることがあるかもしれません。
筆者の施設スタッフも、介護休暇を取得して親御さんの介護をされています。
今回は、介護休暇について学んでいきましょう!
このブログを読むと、「新しい介護休暇制度」について理解を深めることが出来ます。
施設スタッフやご家族さんから質問を受けることもあるかもしれません。
この機会に、しっかり理解していきましょう!
まず、介護休暇取得の目的について見ていきます。
新しい介護休暇制度の目的

介護休暇の目的は、介護離職を減らすためです。
2018年に介護離職した人は、9万8400人と言われています。

制度が十分に機能しているとは言えません。
その原因は、制度の認知度不足や、会社の理解不足と言われています。
制度を浸透させて、介護離職する人を減らしたいですね!
新しい介護休暇制度の内容

これまでにも介護休暇取得の制度はありました。
しかし、「半日ずつ」しか取得できませんでした。
(年間5日を半日ずつ分けて、最大10日間)
今回の介護休暇制度改正で、「1時間単位で取得することが出来る」ようになったのです。

就業時間8時間の人の場合です。
年間5日間×8時間=40時間。
この40時間を、1時間ずつ取得すれば最大40日間に分けることが出来ます。
また、介護休暇に対して給与の支払い義務はありません。
介護が必要な家族に、要介護認定は必要ありません。
次章では、「新しい介護休暇制度」のメリットについて見て行きます。
新しい介護休暇のメリット

2021年1月の介護休暇制度改正で、介護休暇を「1時間単位で取得することが出来る」ようになります。

これまでの制度では、短時間の用事でも「半日ずつ」しか使用できませんでした。
では、実際にどのような時に便利なのか具体例を挙げてみましょう。
・たとえば、こんな時に便利!
- 担当者会議などへの出席
- 排せつ失敗による更衣などで遅刻する場合など
- デイサービスの迎え入れなど

上記のような場合、1~2時間あれば対応できます。
年間40日間(1日8時間就業の場合)を、このようなケースに使用出来れば「介護離職」防止にも効果が期待できますね!
次章では、新しい介護休暇制度の課題を見て行きます!
今後の課題

新しい介護休暇制度には、課題もあります。
以下の2点です。
- 1時間単位で取得できるのは、「始業時間から」もしくは「就業時間まで」
- 中抜けを認める義務は、見送られた
「中抜け」は義務化されていません。(もちろん会社が認めれば中抜け可能)
イコール、「遅刻して会社に行く」もしくは「早退する」の2択ということです。
中抜けが認められないのは、「会社の業務が回らないから」です。

筆者のデイサービスでは、中抜けの介護休暇を取る人も居ます。
会社の業務形態によって、事情は異なりますね。
会社も個人も、気持ちよく取得できる配慮が必要です。
次の章では、介護にまつわる様々な制度について見て行きます!
他の制度いろいろ

「介護と仕事の両立に関する法律」は、他にもあります。
下記のとおり、一覧にしてご紹介します。

こうして見てみると、たくさんの制度に守られていると気付きますね。
しかし、利用してこそ「制度の価値」が生まれます。
次章では、制度が浸透するにはどうすればいいか考えます!
制度が更に利用されるには

2018年に介護離職した人は、9万8400人と言われています。
制度があっても、活用されなければ意味はありません。
社会や会社組織が、もっと制度について考え理解することが必要です。

介護の仕事をしていると、介護離職したご家族さんをよく見ます。
働き盛りの年代で離職する方も居られます。
まずは、私たち介護の職場から「制度の理解」を深めて行きたいですね!
最後に

いかがでしたでしょうか?
今回は、介護休暇制度について見てきました。
それでは、きょうのおさらいです。
- 2021年1月から介護休暇制度が変わる
- 年5日間(2人以上は10日間)を1時間単位で介護休暇を取得できる
- 1日8時間就業の人は、最大40日間に分けることができる
- 担当者会議などの短時間の用事に適している
- 課題は、「始業時間から」もしくは「就業時間まで」の義務しかない
- 他にも「仕事と介護の両立」を目的とする制度がある
- 制度の浸透には、社会や会社組織の理解が必要
どんなに優れた制度でも、活用しなければ意味がありません。
まずは、最前線に立つ介護業界から「制度を浸透」させていきましょう!
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。