はじめに
先日、ヘルパーの有効求人倍率が15倍にも上ると発表されました。
数字上は、仕事を求めるヘルパーさん1人に対して15社が争奪戦を行う計算になります。
ヘルパーは、「1対1」で行う仕事であり責任も大きい仕事であるといえます。
しかし、利用者さんを最前線で支える重要な役割であり、介護職として得られるものも多いです。
今回は、ヘルパーとして働く「メリット」について考えてみたいと思います。
私は、デイサービスで管理者をしています。
同一敷地内に訪問介護事業所があり、私自身もヘルパーの経験もあります。
ほんの少しでも、ヘルパーの仕事に興味をお持ち頂けると幸いです。
この記事は、ヘルパーとして働いている方や、ヘルパーの仕事に興味をお持ちの方を対象に書かれています。
この記事を読むと、次の事が分かります。
- ヘルパーの仕事をすることで得られるメリットについて
- 今後のヘルパー職の処遇改善について
結論は以下の通りです。
- 対応力が身に就く
- 自分のペースで仕事が出来る
- オンとオフがある
- 厚生労働省が、処遇改善を検討している
それでは詳しく見て行きたいと思います。
ヘルパーの仕事をすることで得られるメリット
対応力が身に就く

あるベテランケアマネジャーさんが、こう言いました。
訪問ヘルパーを経験したスタッフは、どんなことにも対応できる
私はデイサービス畑の人間ですが、全くその通りだと思います。
ヘルパー職は、基本「1対1」の仕事です。
サービス中に、利用者さんが急変することもあります。
救急車を要請しなければならないケースもあるでしょう。
訪問したら、もう既に亡くなっておられたというケースもあります。
本当に様々なケースが考えられます。
それゆえに、ヘルパーを経験したスタッフは優れた対応力を持っています。
ヘルパー部から異動してきたスタッフを見ていても、「個の力」のようなものを感じることがあります。
様々な場面を潜り抜けることで、ものすごく高い経験値を持っているのだと思います。
自分のペースで仕事ができる

ヘルパーは、基本的に「1対1」の仕事です。
もちろん、こなすべき業務があるので時間的な余裕はありません。
しかし、デイサービスなどに比べて利用者さんと深いやり取りができます。
これは、とても贅沢なことだと思います。
また、「1対1」の仕事ではありますが、何か異変があれば事務所に連絡を入れなければなりません。
そうすれば、事務所スタッフが対処法を教えてくれます。
よって、ヘルパーも「チームプレー」なのです。
決して一人で戦っているのではありません。
不安を感じたり対処に迷ったら、迷わず事務所へ連絡しましょう。
仕事にオンとオフがある

例えばデイサービスであれば、9時~16時まで利用者さんが居ます。
グループホームなどの施設であれば、四六時中、利用者さんが居ます。
その点、ヘルパーは仕事が終わればその家から出ます。
すぐ次の家に行くこともありますが、空き時間があるケースも当然出てきます。
要するに、オンとオフがあるということです。
また、施設であれば外出することなど殆どありませんが、ヘルパーは外へ出なければ仕事になりません。
この「施設の外へ出る」という行為そのものが「気分転換」になるというスタッフも居ます。
あまり大きな声では言えませんが、時々こっそり夕食の買い物をするスタッフも居るようです。
つまり、施設職員と比べて「融通が利きやすい職種」と言うことが出来るでしょう。
厚生労働省が、処遇改善を検討している

冒頭でもお話したように、現在ヘルパー1人に対する有効求人倍率は15倍とのデータがあります。
厚生労働省は、ヘルパーの高齢化による後継者不足を深刻な問題と捉えているようです。
また、土日や祝日に対応出来るヘルパーが少ない為、負担が増大しています。
こういった事態を踏まえて、厚生労働省はヘルパーの処遇改善を検討していると発表されました。
これは、「ヘルパーの担い手確保のために国が本気になった」と言えると思います。
いえ、「本気になってくれている」と強く希望を持ちたいのです。
来年4月に介護報酬改定を控えており、「報酬アップ」や「土日対応加算」が期待されています。
そうなれば、土日に出勤するスタッフへの手当についても財源が確保されることになります。
言い方は悪いかもしれませんが、手当などの「ある程度のうま味」が無ければ現状を打開するのは難しいです。
最後に

今回は、ヘルパー職について見てきました。
現在、ヘルパー不足は深刻な状況です。
本来ヘルパー職の「うま味」は、「短時間で誰かのお役に立てる」ことだと思います。
1日8時間のフル出勤でなくても、家事や育児のスキマ時間で仕事が出来る。
ここが原点だと思います。
介護保険制度が始まって以来、ヘルパーさんが増加していたのは「スキマ時間を活かせること」にあったと認識しています。
今一度、比較的若い世代に「家事や育児のスキマ時間で、ヘルパーでもやろうかなあ」と思ってもらえる制度作りが必要です。
それは、国にしか出来ません。
来年4月の介護報酬改定に期待しましょう。
「介護報酬アップ」や「土日対応加算」など、一人でも担い手の興味を引くことの出来る制度となることに期待します。
それでは、本日のおさらいです。
ヘルパーの仕事をすることで得られるメリットと、今後の処遇改善については以下の通りです。
- 対応力が身に就く
- 自分のペースで仕事が出来る
- オンとオフがある
- 厚生労働省が、処遇改善を検討している
最後に、ヘルパーは利用者さんの生活を最前線で支える重要な仕事です。
そのヘルパー職が不足しているのは、介護界の危機とも言えます。
来年4月の介護報酬改定で、一人でも多くのヘルパーが誕生することを心より願います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。