「コロナ加算」とは・・・

コロナウイルスの影響で、利用が落ち込んでるデイサービスも多いんだって。

うん。
特に感染状況の深刻な都会では、デイサービスの利用控えもあるようだね。

ここ1年で廃業した事業所数は、過去最悪の数字みたい・・・。

そして、デイサービスを救済するために作られた制度が「コロナ加算」だったよね!

去年6月から、デイサービス救済のために「コロナ加算」が導入されています。
利用者負担があるなど賛否両論の制度ですが、今年3月で終了となることが発表されました。
4月からは、新しい「コロナ加算」が創設されます!
皆さん、こんにちは!
デイサービスで管理者をしている「ぽんてん」と申します。
コロナウイルスの影響で、経営状況が厳しいデイサービスが増えています。
デイサービスを救済するための「コロナ加算」ですが、利用者負担があるなど賛否両論でした。
2021年4月の介護報酬改定で、「コロナ加算」終了が正式に発表されました。
そして、同時に新しい「コロナ加算」の創設も発表されています。
今回は、現行の「コロナ加算」と新しい「コロナ加算」について見ていきたいと思います。
それでは、今回のポイントです。
◎現行のコロナ加算について(2021年3月まで)
- デイの救済処置として、2区分上の報酬を請求できる(1~4回)
- 利用者負担が発生する(月に数百円程度)
- なぜか要支援者は負担なし
- 納得していない人が多い(ケアマネ、行政など)
- 市町村が負担する地域もある
◎新しい「コロナ加算」(2021年4月より)
- 利用者数について、前年度平均と比較して5%以上減少なら3%上乗せできる
- 2・3月は、前年度平均ではなく、単月で比較することが可能
- 加算分は、支給基準限度額に含まれない
それでは、詳しく見ていきましょう!
現行のコロナ加算


コロナウイルスの影響で、経営が苦しくなったデイサービスを救済するために作られたのが「コロナ加算」ですよね。
なぜ、賛成しない人が多いのですか?

質問の回答に、最もふさわしい方が来てくれています!
デイサービスで管理者をしているデイ「柱」さ~ん!

こんにちは!
デイサービスで管理者をしているデイ「柱」です。
私の事業所では、「コロナ加算」を算定しています。

3月には終了しますが、現行の「コロナ加算」を取得してみていかがでしたか?

いやあ・・・。
コロナ加算を導入して、思うことは多かったですね。
一番厳しかったのは、利用者さんに負担が生じることです。
行政やケアマネさんから冷たい目で見られることもあって・・・。

それは、辛かったでしょう・・・。
月に数百円とは言え、利用者負担が増えますからね。

はい・・・(涙)
利用者さんやご家族は納得していても、ケアマネさんから「本当に取るんですか?」的なことを言われて・・・。
あと、行政の方にもヒアリングを受けましたね。
最終的には、納得してもらいましたが・・・。

それはご苦労されましたなぁ・・・。
ところで、地域で何割ほどの事業所が「コロナ加算」を取得していますか?

私の地域では、多くても3割程度だと思います。
取得している事業所が少ない分、風当たりがキツイのかもしれません。

デイ「柱」さん、ありがとうございました。
色々感じることは多かったと思いますが、よく乗り越えられましたね!

事業所が存続しなくては、利用者さんやスタッフを守れません。
利用者様はもちろん、ケアマネさんや行政にも感謝しています。

ふふふ・・・。
さすがは、「柱」と呼ばれる男よ・・・。

・・・。
お館様・・・ですか?

いえ、何でもありません・・・。
インタビュー、ありがとうございました!
「コロナ加算」取得には、様々な苦労があったようです。
他にも、現行の「コロナ加算」は、
- なぜか要支援者の負担はない
- 行政が「コロナ加算」分を負担してくれる地域もあった
- 「コロナ加算」は支給限度額に含まれるため、サービスが制限されるケースも
など、改善点の多い制度です。
それでは、2021年4月より導入される「新しいコロナ加算」について次章で見ていきましょう!
「新コロナ加算」の内容
2021年4月の介護報酬改定で、新しく導入される「コロナ加算」について見ていきます。
メリットとデメリットは、以下の通りです。
メリット
困っているデイだけを救済する

発表されている「新しいコロナ加算」の要件は、次の通りです。
噛み砕くと、
前年平均に比べて5%以上減少している場合は、基本報酬に3%上乗せしてもいい(3か月間)
ということです。
逆に言えば、現行の「コロナ加算」は、
売り上げが増加していても、加算できてしまう
制度なのです。
ですから、「新しいコロナ加算」は本当に困っているデイだけが算定できるものであり、
「利用者さんにも財政にもやさしい制度」
ということになります。
加算分は、区分支給限度基準額に含まれない

現行の「コロナ加算」は、区分支給限度基準額に含まれています。
多くのサービスを利用している方は「限度額オーバー」してしまう恐れがありました。
しかし、今回の「新しいコロナ加算」は区分支給限度基準額には含まれません。
利用者さんは、「限度額」を気にせずサービスを利用できます。

筆者のデイサービスでは、「コロナ加算」を算定しています。
しかし、「家計に余裕がない方や限度額いっぱいの方」へは算定していません。
あくまでも、デイサービスを応援して頂ける方だけにお願いしています。
デイには嬉しい特例
デイサービスには、嬉しい特例があります。
本来は、
「前年平均利用回数と比較して、5%以上減少した月に加算できる」
ですが、
今年2月・3月だけは、前年同月の利用回数との比較が可能
という特例があります。

昨年の2月・3月はコロナの影響が少なく、利用者は多かった。
昨年と比べて、今年の利用者が減少している事業所は多い。
つまり、「コロナ加算」を算定できる可能性が高いということです。

なるほど!
去年の2月や3月は、コロナで休む人はまだ少なかったですもんね。

政府も、そこを考えてくれたのでしょう。
経営が厳しいデイサービスを何とかしようとする姿勢が読み取れますね。
次の章では、新しい「コロナ加算」のデメリットについて見ていきます。
デメリット
利用者負担はそのまま

新しい「コロナ加算」は、
という内容です。
つまり、加算の場合は利用料が3%アップすることになります。

「コロナ加算」で最も議論になった「利用者負担」は残される形となりました。
「マイナーチェンジ」は行うものの、「本丸」は残されたままという感じですね。
前年実績を下回る必要がある点
新しい「コロナ加算」の要件をもう一度見てみましょう。
注目するのは、「前年度の平均延べ利用者数」です。
前年度は、コロナウイルスの影響で「介護事業所の倒産数が過去最悪」の年です。
その「最低の一年よりも下回る」ことが条件になります。

地域やデイサービスの特性などにもよるかもしれませんが、「最悪の一年」を下回る条件はなかなか厳しいと感じます。

デイサービスの入浴介助加算も下げられてしまいますし・・・。
在宅を支える事業所にとっては、厳しい状況が続きそうですね。
まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は、現行と新しい「コロナ加算」について見てきました。
それでは、今日のおさらいです。
◎現行のコロナ加算について(2021年3月まで)
- デイの救済処置として、2区分上の報酬を請求できる(1~4回)
- 利用者負担が発生する(月に数百円程度)
- なぜか要支援者は負担なし
- 納得していない人が多い(ケアマネ、行政など)
- 市町村が負担する地域もある
◎新しい「コロナ加算」(2021年4月より)
- 利用者数について、前年度平均と比較して5%以上減少なら3%上乗せできる
- 2・3月は、前年度平均ではなく、単月で比較することが可能
- 加算分は、支給基準限度額に含まれない
現行の「コロナ加算」は、緊急で作られたものです。
いろいろな改善点があって当然と言えます。
そして2021年4月の介護報酬改定を迎えて、ある程度の問題点は改善されたと思います。
更なる要望を言うならば、
- 利用者負担の撤廃
- 基本報酬の引き上げ
- 加算基準のハードルをもう少し下げる
などがあります。
コロナ最前線で体を張っているのは、現場のスタッフです。
国の財政が厳しいのも分かりますが、
もう少し介護に明るい光を当ててほしい。
(新聞に載るのは、施設にクラスター感染が発生した時くらい)
いつどこで感染者が出ても不思議ではありません。
今できることをしっかり行い、利用者さんやスタッフ、そして自分を守っていきましょう!
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。